脳卒中

回復期リハビリテーション病棟を利用する脳卒中患者は年間約12.5万人と推定

本格的な高齢社会を迎えているが、回復期リハビリテーション病棟に入院する脳卒中患者は大幅な増加はしておらず、回復期リハビリテーション病棟全体に占める比率は長期低落傾向にある。 実態調査報告書|一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会、令…

東日本大震災で心血管疾患の救急搬送が増加

東北大学病院 - 循環器内科のグループが、European Heart Journalに、Great East Japan Earthquake Disaster and cardiovascular diseases | European Heart Journal | Oxford Academicという論文を発表した。【関連エントリー】 被災3県における主な死因の…

死因統計で肺炎が脳血管疾患を上回り第3位へ

平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省が公表された。死因統計では、肺炎が脳卒中を上回り第3位となった。【関連エントリー】 人口動態統計死因順位で老衰が躍進(2010年10月5日) 「不慮の事故死亡統計」にみる転倒・転落、窒息対策の重…

脳障害者の自動車運転

第49回日本リハビリテーション医学会学術集会(5月31日〜6月2日)が福岡で行われた。中でも、興味深かったのが、「脳障害者の自動車運転」というシンポジウムだった。口演や質疑応答で印象に残った点をメモする。 1.認知症と自動車運転(高知医大神経精神…

一側性脳血管障害の6ヶ月後嚥下障害残存率は0.2%

嚥下障害に関する歴史的文献、Barer DH:The natural history and functional consequences of dysphagia after hemispheric stroke. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 1989 February; 52(2): 236–241.を久しぶりに読み直した。 Data from 357 conscious strok…

脳卒中医療連携手帳の検討

脳卒中急性期病院主催の医療連携に関する会議があった。中心課題は医療連携手帳作成だった。急性期病院と、回復期、開業医の連携を強めることが目標だった。様々な意見が出たため、持ち帰って検討を続けることになった。 会議終了後に、手帳の内容についてあ…

大震災時に心血管イベントが増えるメカニズム

災害関連疾患として、脳卒中が増えている印象がある。この問題を考えるうえで、http://www.phcd.jp/shiryo/touhoku_kantou_daishinsai_20110311.html#内にある、「大災害時の心血管イベント発生のメカニズムとそのリスク管理(論文)」(苅尾七臣:心臓 Vol.3…

慢性期脳卒中下肢痙縮に対するボツリヌス毒素製剤の効果

最新の「リハビリテーション医学」9月号に、木村彰男らによるボツリヌス毒素製剤(botulium toxin type A:BTXA)の論文が載った。関連する文献として、Journal of Neurologyに掲載されたKajiらのBotulinum toxin type A in post-stroke lower limb spastici…

Very early mobilizationのRCT進行中

脳卒中発症後24時間ないし48時間以内に離床を進めるVery early mobilizationについてのレビュー、が、2009年2月、Stroke Online版に投稿されている。 採用されたランダム化比較試験(RCT)は3つしかなく、そのうち2つは進行中の研究 (Very Early Rehabilitat…

DPC病院データからみた急性期リハビリテーションの現状

つい最近出た急性期リハビリテーションの論文、An exploration of the association between very early rehabilitation and outcome for the patients with acute ischaemic stroke in Japan: a nationwide retrospective cohort survey | BMC Health Servic…

休みが多い時期は脳卒中機能予後は不良となる

日本脳卒中学会内に「脳卒中治療ガイドライン2009」の全文が掲載されている。1-4.急性期リハビリテーションのところに、次のような記載がある。 訓練の量はリハビリテーションの効果を検討する上で重要な要素である。(中略)脳卒中ユニットに入院期間中の…

オシム氏、AC脳卒中キャンペーンに出演

オシム氏が出演したAC広告機構の脳卒中キャンペーンが、7月1日からオンエアされている。【関連エントリー】 シンシナティ病院前脳卒中スケール(CPSS)、らばQで紹介される(2009年10月23日) 「主治医が明かす 長嶋とオシムのリハビリ」(2008年12月11日) …

木村拓也コーチのご冥福をお祈りいたします

クモ膜下出血で意識不明の重体だったジャイアンツ木村拓也コーチが、今朝未明に亡くなられました。心からご冥福をお祈りいたします。 はてなで、NPB新人研修 木村拓コーチ講義内容(2010年3月4日)がホットエントリーとなっています。プロ野球という厳し…

クモ膜下出血の再出血率は初日が最も高い

木村拓也コーチのクモ膜下出血に関してエントリーを記載したところ、予想以上のアクセスがあった。早期発見がなぜ重要かについてエビデンスを示す。【関連エントリー】 クモ膜下出血の木村拓也コーチ、前日から激しい頭痛を訴えていた(2010年4月3日) 日本…

クモ膜下出血の木村拓也コーチ、前日から激しい頭痛を訴えていた

巨人の木村拓也コーチが、クモ膜下出血で意識不明の重体となっている。 巨人・木村拓也内野守備走塁コーチ(37)が2日午後5時30分頃、広島市南区のマツダスタジアムで突然倒れた。対広島戦の試合前のシートノック中の出来事で、そのまま広島市内の病院…

地域ベースのリハビリテーション介入で14人に1人が悪化を予防

「脳卒中治療ガイドライン2009」の学習会を続けている。第7章 リハビリテーション(PDF/2,727MB)の291〜293ページに「1−7.維持期リハビリテーション」まで読み進めた。本項に次の記述がある。 1. 回復期リハビリテーション終了後の慢性期脳卒中患者に…

脳卒中治療ガイドライン2009は2007年12月までのエビデンスを追加

脳卒中治療ガイドライン2009、第7章 リハビリテーション(PDF/2,727KB)の概説より。 今回、GL2004を改訂するにあたり、日本リハビリテーション医学会では、診療ガイドライン委員会内に設置された脳卒中治療ガイドライン策定委員会が中心となって、GL2004に…

脳卒中ガイドライン2009、Web上に公開

脳卒中ガイドライン2009がWeb上に公開されていた。詳細は、日本神経治療学会−ガイドライン・標準的神経治療をご覧いただきたい。

ealry supported discharge(ESD)の効果

”脳卒中治療ガイドライン2009”のリハビリテーションに関する章を、”2004”と比較しつつ読み始めている。 「1-1 脳卒中リハビリテーションの流れ」で大きく変わったのは、ealry supported discharge(ESD)の部分である。 海外では、急性期治療に早期から退院…

脳卒中治療ガイドライン2009出版

脳卒中治療ガイドライン 2009 / 篠原幸人/小川彰(脳神経外科学) - 紀伊國屋書店ウェブストアが医局に届いた。今後、本書を題材に学習会を開いていく予定である。

シンシナティ病院前脳卒中スケール(CPSS)、らばQで紹介される

助かる命…脳梗塞の人を見分ける方法:らばQが、はてなのホットエントリーとなっている。 簡単に脳梗塞のサインを見極める方法 1. 笑顔を作るように尋ねる 2. 簡単な文を整然と言ってもらう(例. 今日はいい天気だね) 3. 両腕を上げるように尋ねる これは、シン…

「脳卒中治療ガイドライン2009」来月には公表???

「脳卒中治療ガイドライン2009」がなかなか日の目を見ない。諏訪で行われた専門医会学術集会の懇親会で関係者に事情を聞いたところ、来月には公表されるのではないか???ということになっているらしい。ただし、もともと「脳卒中治療ガイドライン2007」と…

脳卒中治療ガイドライン2009、まもなく公表

脳卒中治療ガイドライン2004が発表された後、大規模臨床研究が次から次へと行われた。新たな知見が蓄積されたことをふまえ、脳卒中治療ガイドライン2009が4月頃に公表されることになった。 脳卒中学会イブニングセミナーで、「脳卒中治療ガイドライン2004の…

中原十六世名人:脳出血で緊急入院

気になるニュースが入った。毎日新聞、中原十六世名人:脳出血で緊急入院 意識は正常、快方により。 中原十六世名人:脳出血で緊急入院 意識は正常、快方に 日本将棋連盟は13日、中原誠十六世名人(60)が緊急入院し、脳出血と診断されたと発表した。意…

くも膜下出血の診断の難しさ

当院内科では、毎週、外来カンファレンスを行っている。若手医師が経験した気になった症例を題材にしている。リハビリテーション科医師もできる限り参加するようにしている。 「これまで経験したことのない突然発症の頭痛症例」についての検討があった。頭部…

脳卒中データバンク 中等度以上の障害でも20%以上はリハ未施行

脳卒中急性期リハビリテーションの現状について、脳卒中データバンク2005より*1。 【対象】 脳梗塞急性期8,003例 男 5,019 女 2,984 年齢 70.11±0.13歳(平均±SD) 【方法】 重症度: JSSにより、軽症4点以下、中等度5〜15点、重症16点以上とした。 予後(短…

脳卒中データバンク2005

脳卒中データバンク〈2005〉作者: 小林祥泰出版社/メーカー: 中山書店発売日: 2005/04メディア: 大型本 クリック: 11回この商品を含むブログ (1件) を見る 脳卒中急性期データベース構築研究主任研究者の小林祥泰氏の編集による、「脳卒中データバンク2005」…

初発脳卒中患者の回復期リハビリテーション適応者の推計

脳卒中患者中、どの程度回復期リハビリテーション適応者がいるのかに関するデータは少ない。脳卒中データバンク2005にある大木宏一らのデータ*1を用いて、初発脳卒中患者の回復期リハビリテーション適応者について推計を行う。 本研究における平均在院日数を…