進化生物学

モラルの起源

今回は、クリストファー・ボーム著「モラルの起源」を紹介する。本書は、進化人類学者の著者が、「更新世後期タイプの(Late Pleistocene appropriate)」狩猟採集社会に住む「LPA狩猟採集民」の研究を軸に、道徳、良心、利他行動はどのように進化したのかを…

未知性が偏見や差別を引き起こす理由

先日のエントリーで「未知の漠然とした不安が、偏見や差別を引き起こす」ことを指摘した。このことに関し、少し掘り下げてみる。【関連エントリー】 障害者の社会復帰政策と施設コンフリクト(2015年1月2日) 友達の数は何人?ダンバー数とつながりの進化心…

野蛮な進化心理学

「殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎」という扇情的な副題はついているが、人間行動の基本的な原則を丁寧に説明した良書である。重要と感じた点をメモする。野蛮な進化心理学―殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎作者: ダグラス・ケンリック,山形…

幼少期という発明

「人類進化700万年の物語」という本を読んだ。著者のチップ・ウォルターは科学ジャーナリストであり、ヒト族に分類される人類のなかで、なぜ、私たちホモ・サピエンスだけが生き残れたのかということを、最新の研究結果をふまえ、分かりやすい語り口で紹介し…

ヒトの睾丸の大きさと育児との関係

睾丸の大きさと育児参加に関連性、「大きいほど良く」はない 米研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB Newsという記事を読んだ。 米エモリー大学(Emory University)の研究チームは、男性の睾丸の大きさを計測し、同じ男性たちの子育て習慣を調査した。 対象と…