回復期リハビリテーション病棟体制強化加算の廃止

 回復期リハビリテーション病棟に体制強化加算が導入されたのは、2014年度診療報酬改定からである。

 

 体制強化加算導入に関する中医協の資料は、中央社会保険医療協議会 総会(第262回) 議事次第の個別事項(その3:リハビリテーション)について総-1(PDF:2,479KB)の中にある。

 専従医師配置要件および専従社会福祉士要件は下記資料が根拠となっている。

 

 しかし、今回、2024年度診療報酬改定において、一転して体制強化加算は廃止となった。ただし、回復期リハビリテーション病棟入院料1及び2において社会福祉士が専従配置となったため、実質的に専従医配置要件の撤回ということになる。

 

 中医協総会において、回復期入院医療については、2023年11月10日(第563回)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00222.html と11月15日(第564回)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00223.html で取り上げられた。入院(その3)総-2(PDF:6MB) が該当資料である。そこに、体制強化加算の届出有無別の比較、という資料がある。

 

 

 対象病棟数は2013年に行なった調査と比し、2022年度調査は病棟数は圧倒的に多い。このデータを見る限り体制強化加算の効果はないと判断されても致し方ない。

 

 百崎良ら:回復期リハビリテーション医療におけるリハビリテーション科専門医の意義(Jpn J Rehabil Med 2018;55:323-326)には、回復期リハビリテーション病棟におけるリハビリテーション科専門医配置の効果が紹介されている。今後、医師配置の効果に対する議論をする際には、専従医ではなく専門医配置の効果が示された調査を示すことが必要ではないかと考える。