文献

Medical complications associated with earthquakes

Lancet 最新号に載ったreview、http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(11)60887-8/abstractを読んだ。 Summary Major earthquakes are some of the most devastating natural disasters. The epidemiology of earthquake-related …

MMSEの著作権問題

最新号のthe New England Journal of Medicineに、Copyright and Open Access at the Bedsideという論文が載った。簡単に内容をまとめる。 For three decades after its publication, in 1975, the Mini–Mental State Examination (MMSE) was widely distrib…

大震災時に心血管イベントが増えるメカニズム

災害関連疾患として、脳卒中が増えている印象がある。この問題を考えるうえで、http://www.phcd.jp/shiryo/touhoku_kantou_daishinsai_20110311.html#内にある、「大災害時の心血管イベント発生のメカニズムとそのリスク管理(論文)」(苅尾七臣:心臓 Vol.3…

中国の交通事故死者数が不正確な理由

中国の交通事故事情について、http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(11)61153-7/fulltextが興味深い報告をしている。 At best, the Chinese Government's data for road-traffic fatalities are contradictory, and at worst, th…

脳卒中患者への早期胃瘻造設の適否に関する研究

急性期脳卒中患者に対する栄養管理に関する論文、http://www.hta.ac.uk/execsumm/summ1002.htmを読んだ。View/Download full monograph in Adobe Acrobat format (970 kbytes)に原文がある。全部で138ページもある長大な論文である。1996年から2003年に行わ…

「末梢点滴をしながら看取りに入る」という選択肢は現実的

ひとつ前のエントリーで紹介した、The Cochrane LibraryのReviewに次のような一節があった。 Relatives and carers may request the intervention because they are concerned that the patient may starve; clinicians may be aware of the risks but feel …

重度認知症者に対する経管栄養の是非

重度認知症者に対する経管栄養の是非に関して論じた2009年のThe Cochrane LibraryのReviewである。Enteral tube feeding for older people with advanced dementia (Review) PLAIN LANGUAGE SUMMARY There is insufficient evidence to suggest that enteral…

チームワークトレーニングは外科術後死亡率を低下させる

外科術後患者の死亡率もチームワークトレーニングに関するプログラムを受けると低下する。http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/304/15/1693を読むと、次のようなことが記載されている。 The Veterans Health Administration (VHA)の医療チームト…

慢性期脳卒中下肢痙縮に対するボツリヌス毒素製剤の効果

最新の「リハビリテーション医学」9月号に、木村彰男らによるボツリヌス毒素製剤(botulium toxin type A:BTXA)の論文が載った。関連する文献として、Journal of Neurologyに掲載されたKajiらのBotulinum toxin type A in post-stroke lower limb spastici…

大腿骨頚部骨折患者に隠れているiNPHを見逃すな

先週末、特発性正常圧水頭症(iNPH:idiopathic normal-pressure hydrocephalus)に関わる研究会があった。 日本正常圧水頭症研究会編/医療・GL(04年)/ガイドライン、「ガイドライン作成にあたって」に次のような記載がある。 わが国は急速に高齢社会とな…

Very early mobilizationのRCT進行中

脳卒中発症後24時間ないし48時間以内に離床を進めるVery early mobilizationについてのレビュー、が、2009年2月、Stroke Online版に投稿されている。 採用されたランダム化比較試験(RCT)は3つしかなく、そのうち2つは進行中の研究 (Very Early Rehabilitat…

DPC病院データからみた急性期リハビリテーションの現状

つい最近出た急性期リハビリテーションの論文、An exploration of the association between very early rehabilitation and outcome for the patients with acute ischaemic stroke in Japan: a nationwide retrospective cohort survey | BMC Health Servic…

休みが多い時期は脳卒中機能予後は不良となる

日本脳卒中学会内に「脳卒中治療ガイドライン2009」の全文が掲載されている。1-4.急性期リハビリテーションのところに、次のような記載がある。 訓練の量はリハビリテーションの効果を検討する上で重要な要素である。(中略)脳卒中ユニットに入院期間中の…

胃管誤留置に関する欧文文献

胃チューブ誤留置に関する文献検索を行った。得られた論文の中で、胃チューブ誤留置に伴う合併症記載があるものを抽出した。さらに参考文献の中より同様の条件があるものを探した。総説[1)-4)]、臨床研究・症例報告[5)-19)]が得られた。 1.胃…

「スタイレット付き栄養チューブ」挿入時の肺損傷の危険性

昨日のエントリー、胃管誤留置事故はどこでも起きうるについて、論議を深める。 配信記事の中に、「レントゲン撮影で確認したところ、食道ではなく気管にチューブが挿入され、肺を突き破って栄養剤が注入されていたことが判明」という記載があった。胃管と肺…

脳卒中データバンク 中等度以上の障害でも20%以上はリハ未施行

脳卒中急性期リハビリテーションの現状について、脳卒中データバンク2005より*1。 【対象】 脳梗塞急性期8,003例 男 5,019 女 2,984 年齢 70.11±0.13歳(平均±SD) 【方法】 重症度: JSSにより、軽症4点以下、中等度5〜15点、重症16点以上とした。 予後(短…

初発脳卒中患者の回復期リハビリテーション適応者の推計

脳卒中患者中、どの程度回復期リハビリテーション適応者がいるのかに関するデータは少ない。脳卒中データバンク2005にある大木宏一らのデータ*1を用いて、初発脳卒中患者の回復期リハビリテーション適応者について推計を行う。 本研究における平均在院日数を…