回復期リハビリテーション病棟に対する2024年度診療報酬改定概要

 昨日、2024年1月26日、中央社会保険医療協議会総会(第581回)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00243.html. が開催された。個別改定項目(その1)について 総ー5(PDF:14MB)に今回の改定内容の概要がまとめられている。

 

 主な回復期リハビリテーション病棟の改定は以下のところに記載されている。

  • 【II-4 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価-13】回復期リハビリテーション病棟入院料の評価及び要件の見直し(300〜304ページ)
  • 【III-3 アウトカムにも着目した評価の推進-3】回復期リハビリテーション病棟における運動器リハビリテーション料の算定単位数の見直し(537〜538ページ) 

  • 【II-3 リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進-8】 回復期等の患者に対する口腔機能管理の推進 (250〜252ページ)
  • 【I-6 医療人材及び医療資源の偏在への対応-6】医療資源の少ない地域に配慮した評価の見直し、及び、【I-6 医療人材及び医療資源の偏在への対応-7】医療資源の少ない地域の対象地域の見直し (93〜103ページ)

 

 回復期リハビリテーション病棟入院料の評価及び要件の見直しに関する具体的内容は次のとおりである。

 

 医療従事者の待遇改善を目指すという立場からは、回復期リハビリテーション病棟入院料はプラス改定になると予想する。しかし、体制強化加算を算定していたところはマイナス改定になる可能性も否定できない。

 

 体制強化加算廃止以上に経営的影響が大きいのは、回復期リハビリテーション病棟における運動器リハビリテーション料の算定単位数の見直しである。

 

 これまで、運動器リハビリテーション料で6単位を超えて9単位近くまでリハビリテーションを提供していた施設では、リハビリテーション料の収入が2/3になってしまうことになる。早期加算、初期加算対象時期を過ぎた時点で退院を促進することにつながりかねない。

 回復期等の患者に対する口腔機能管理の推進は重要だが、歯科医療機関における算定である。

 医療資源の少ない地域において、回復期リハビリテーション病棟に 相当する機能を有する病室について、回復期リハビリテーション入院料の届出を病室単位で可能な区分を新設することとなったが、対象地域は限られている。

 少なくとも、回復期リハビリテーション病棟では社会福祉士と栄養士確保は必須となったことは間違いない。GLIM基準以外の栄養評価がどこまで認められるかがわからないが、栄養評価の中身も検討する必要がある。歯科医療機関との連携強化も求められる。

 一方、体制強化加算が廃止され、専従医を置く必要はなくなった。専従医要件を満たすための研修会は縮小されることになるだろう。

 医療の質の向上に見合った診療報酬増額が行われれば良いのだが、具体的な診療報酬がまだ出されていない状況ではやや不安がある。回復期リハビリテーション病棟で働く職員の待遇改善に結びつく改定となることを願う。