回復期リハビリテーション病棟入院料1に関する改定

 昨日に引き続き、2014年度診療報酬改定の検討をする。今回は、回復期リハビリテーション病棟に関する改定を取り上げる。

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 中央社会保険医療協議会 総会(第270回) 議事次第内にある、個別改定項目について(その1)総−4(PDF:2,099KB)、重点課題1-1-3、回復期リハビリテーション病棟の評価の見直し(28〜30ページ)より引用する。

第1 基本的な考え方
 回復期リハビリテーション病棟について、患者の早期の機能回復、早期退院を一層推進する観点から、より充実したリハビリテーションの提供体制を評価する。


第2 具体的な内容
1.回復期リハビリテーション病棟入院料 1 を算定する病棟において、専従医師及び専従社会福祉士を配置した場合の評価を新設する。


2.回復期リハビリテーション病棟入院料1の休日リハビリテーション提供体制加算について、当該要件を回復期リハビリテーション病棟入院料1の算定要件として包括して評価する。

  • [施設基準] 休日を含め、週7日間リハビリテーションを提供できる体制を有していること。
  • [経過措置]平成 26 年3月 31 日に回復期リハビリテーション病棟入院料1の届出を行っている病棟であって、休日リハビリテーション提供体制加算の届出を行っていない医療機関については、平成○年○月○日までの間は上記の基準を満たしているものとする。


3.回復期リハビリテーション病棟入院料 1 における重症度・看護必要度の項目等の見直しを行う。

  • [施設基準] 当該病棟へ入院する患者全体に占める一般病棟用の重症度、医療・看護必要度A項目の得点が1点以上の患者の割合が○割以上であること。
  • [経過措置]平成 26 年3月 31 日に回復期リハビリテーション病棟入院料1の届出を行っている病棟については、平成○年○月○日までの間、上記の基準を満たしているものとする。


4.患者に適したリハビリテーションを実施するため、患者の自宅等を訪問し、退院後の住環境等を評価した上で、リハビリテーション総合実施計画を作成した場合の評価を新設する。


 上記改定案のなかで、1および4が加算要件、2および3が基準変更となる。当然のことながら、後者の方の影響の方が強い。
 体制強化加算に関する専従要件が不明であり、現時点では対策がとりにくい。かなり高い基準になると、フラッグシップ病院しかとれない可能性もある。
 入院時訪問指導加算に関しては、入院初期にリハビリテーション目標が明確になる患者に限定される。医療必要度が高く、状態不安定な方はそもそも対象外となる。
 休日提供加算の包括化に関しては、中央社会保険医療協議会 総会(第262回) 議事次第内にある、個別事項(その3:リハビリテーション)について、総−1(PDF:2,479KB)の47〜48ページに該当資料がある。「回復期リハビリテーション病棟入院料1であっても、休日リハビリテーション提供体制加算を算定していない病棟が29.1%を占める。」となっており、残りの7割の病棟にとっては特に問題がない。
 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度A項目の得点が1点以上の患者の割合は、現行の1割5分から引き上げられる。おそらく、2割になると予想する。なお、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度A項目自体、今回の改定で変更がなされる。該当資料は、総−4(PDF:2,099KB)、重点課題1-1-1、看護配置の手厚い病棟における基準の見直しの2〜3ページにある。具体的な基準が明らかにされていないが、回復期リハビリテーション病棟で算定可能な項目に大きな変更はない。


 概観した印象だが、手厚い体制をしいてリハビリテーション医療を提供し、回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定している病棟にとっては、今回の改定は高いハードルとはなっていない。専従問題への要件は厳しくなるかもしれないが、加算要件であり無理に対応する必要は今のところない。