要介護認定新規申請者一次判定の「非該当」率11.6%

 昨日開かれた、「第2回要介護認定の見直しに係る検証・検討会」の話題を続ける。
 新しい内容が含まれていたのは、次の2つの記事である。

 調査は全国の自治体で4月と5月に審査判定を行った要介護認定者のうち、厚労省に報告のあった情報を集計した。報告したのは1492自治体、23万6435件。
 今回の一次集計では、更新申請者は一次判定で約3割が前回より軽度に判定される結果となった。ただし、二次判定では希望すれば更新前の認定区分を継続できる「経過措置」を適用したこともあり、約8割が前回の二次判定と「変わらない」という結果となった。
 新たに要介護認定審査を受けた新規申請者には「経過措置」は適用されないが、今年4月、5月に判定を行った新規申請者5万9396人のうち、二次判定の結果5.0%が「非該当」(自立)となった。前年同期の「非該当」の割合は2.4%で、ほぼ倍となっている。


更新:2009/07/13 22:40   キャリアブレイン

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/23226.html

2009年7月14日(火)「しんぶん赤旗


 4月に導入された介護保険の新しい要介護認定制度にかんする厚生労働省の第2回検証・検討会が13日に開かれ、新制度の1次判定で「非該当」が倍増するなど、軽度に出る傾向が確認されました。


 2008年4〜5月と比べ、新制度導入後の09年4〜5月の認定では、1次判定で「非該当」とされた人が3・4%から7・6%に増えていました。


(中略)


 新規に認定を申請した人については、「非該当」が08年4〜5月の6%から09年4〜5月の11・6%へとやはり倍増し、目立って大きな割合を占めていました。


 調査は、05年以降の各年4〜5月に認定結果が出た要介護認定申請者について、全国の自治体からデータの提供を受けて集計したもの。09年の対象者は23万6407人でした。


 2次判定については、経過措置適用後のデータが公表されました。しかし経過措置は、希望者の認定を従来通りとするもので、新制度による認定結果の検証にはなりません。経過措置適用前のデータは次回の検討会で提出されます。


 新制度については、認定が軽度化するとの懸念が関係者から表明され、政府は導入直後に経過措置の実施を決め、見直しを行う検討会の設置を行いました。

介護認定新制度1次判定/「非該当」が倍増/厚労省検討会


 これまでの報道をまとめると、次のようになる。

  • 2009年4、5月に要介護認定審査を受けたのは、23万6407人。うち、新規申請者は5万9396人。
  • 更新申請者は一次判定で約3割が前回より軽度に判定される結果となった。
  • 二次判定では希望すれば更新前の認定区分を継続できる「経過措置」を適用したこともあり、約8割が前回の二次判定と「変わらない」という結果となった。
  • 「経過措置」適用前のデータは次回検討会に提出される。
  • 一次判定では、「非該当」とされた人は、前年度の3.4%から7.6%に増えた。新規申請者の場合は、6%から11.6%へと倍増した。
  • 二次判定についても、「非該当」は前年度の2.4%が5.0%へと倍増した。


 新しい要介護認定制度には様々な問題点があることが指摘されている。
 認定調査の項目の一部で、該当する行為を全く行っていない場合は、「介助していない」(自立)を選択することになった。例えば、経口摂取を全くしていない場合、「食事摂取」は自立と判断されることになった。このような判断をする調査項目は、全74項目中、ADLや手段的ADLに関わる16項目が含まれている。一次判定の段階で要介護度を引き下げるのではないかという懸念が持たれた。今回の検証委員会に提出された資料をみると、その恐れは現実のものとなっている。
 さらに、要介護認定審査会においても、「要介護1相当群の振り分け」などの判断が、コンピュータで行われることになった。また、認定審査会で一次判定結果を覆す根拠が以前と比べて制限された。しかし、今回、提出されたのは、希望すれば更新前の認定区分を継続できる「経過措置」後の資料であり、「経過措置」適用前のデータは示されなかった。
 全体の資料は明らかにされていない。おそらく、衝撃的なデータが集まっているのではないかと推測する。厚労省は、都合の悪いデータを隠蔽しようとしていると批判されても仕方がない対応をとっている。