急性期病院B一般入院料+急性期総合体制加算5が設定された背景

 ある急性期病院において、今回の診療報酬への対応として、急性期病院B一般入院料+急性期総合体制加算5を算定するということを聞いた。回復期リハビリテーション病棟病床数が1割を超えると急性期総合体制加算は算定できない - リハ医の独白でも指摘したが、許可病床数の1割を超える回復期リハビリテーション病棟を持っている場合、急性期病院A一般入院料をとれたとしても、急性期総合体制加算を算定できないことを理由としてあげていた。一方、急性期病院B入院一般料においては、一般病床数の割合に関する規定はなく、急性期総合体制加算5のみは取得できる。入院料は下がるが、看護・多職種協働加算が取れるから大丈夫とのことだった。

 

 

 

 看護・多職種協働加算については、看護・多職種協働加算では疾患別リハビリテーション料は算定不可 - リハ医の独白では、疾患別リハビリテーション料など特掲診療料が算定できないから普及しないだろうと述べた。しかし、この加算の対象となる職種には看護職員も含まれている。したがって、もともと7対1看護を算定していたところは看護職員を当てるから問題ないという理屈である。それは、多職種協働ではないのではないかと思ったが心の中にしまいこんで反論はしなかった。

 

 

 2025年12月12日に行われた中央社会保険医療協議会 総会(第635回) 議事次第|厚生労働省総-3入院について(その8)[PDF形式:1.9MB]別ウィンドウで開くでは、急性期総合体制加算5が設けられた背景が述べられている。

 

 人口規模の大きな二次医療圏では救急搬送件数も多く、急性期充実体制加算や総合入院体制加算を取得している病院が多い。一方、人口規模の小さな二次医療圏では地域シェア率は高いが、急性期充実体制加算や総合入院体制加算を取得できていない。

 このような状況を勘案して、急性期総合体制加算5が設定されている。

 

 今回の診療報酬改定資料においても、急性期総合体制加算5の説明として、人口20万人未満の二次医療圏で、一定の総合性・集積性を有し、地域での拠点的な役割を担う病院に配慮した要件を設定、とある。

 今回の改定後、人口規模の大きい医療圏において、急性期病院B一般入院料+急性期総合体制加算5を算定する病院が多くなった場合、当初の意図と異なると判断され、絞り込みが行われる可能性がある。例えば、遅くとも2028年までに急性期拠点機能を報告する医療機関を決定 - リハ医の独白で指摘したように、急性期拠点病院の数については20-30万人に1医療機関を目安とするとなっていることをふまえ、大規模医療圏では、急性期病院B一般入院料を算定不可とする、ないし、急性期総合体制加算5を算定不可とするような規制が行われるおそれがある。

 

 私としては、高齢者救急・地域急性期機能を担う病院に関しては、急性期一般入院料1+包括期病棟(特に地域包括医療病棟)が推奨されるのではないかということを伝えた。どちらが正しかったかは、2年後の診療報酬改定時には明らかになる。