被災3県の震災関連死、2200人を超える

 福島県の震災関連死が1000人を超えたことが報道された。

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 東日本大震災で、福島県の災害関連死者数が1104人(9月14日現在)に上ることが3日、県の調べで分かった。宮城県の799人(8月末現在)の約1.4倍、岩手県の305人(同)の約3.6倍に当たる。福島第1原発事故に対する精神的な不安や断続的な避難場所変更の影響があったとみられる。

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121004t65019.htm


 2012年3月31日時点でのデータは、復興庁 | 震災関連死に関する検討会東日本大震災における震災関連死に関する報告の中にある。


 河北新報記事のデータをみると、被災3県の震災関連死数は次のように変化している。

 2012年3月末  最新データ
 岩手県  193  305(8月末)
 宮城県  636  799(8月末)
 福島県  761  1104(9月14日現在)
被災3県計  1590  2208


 偶然だが、最新データをみると、岩手・宮城両県の合計と福島県がそれぞれ1104人となる。福島県の突出ぶりが目につく。約5ヶ月で、合計618人増加している。審査待ちが多数あり、今後も認定数は増え続けると予測する。


 福島県の各自治体ごとのデータは、お探しのページを見つけることができませんでした。- 福島県ホームページの、平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(第740報)(Excel:185KB)(24.10.5更新)にある。10月5日のデータであり、震災関連死は1112人とさらに増えている。


 沿岸部市町村の死者数を見ると、次のようになる

直接死 関連死 死亡届等 死者数計
 相馬市  439   17   19  475
南相馬市  525  327  111  963
 広野町   2   26   0   28
 楢葉町   11   66   2   79
 富岡町   18  119   5  142
 川内村   0   49   0   49
 大熊町   11   68   0   79
 双葉町   17   73   3   93
 浪江町  149  195   33  377
 葛尾村   0   16   1   17
 新地町  100   6   10  116
 飯舘村   1   39   0   40
いわき市  293  100   37  430
沿岸部計  1566  1101  221  2888
福島県  1599  1112  221  2932


 直接死も関連死のいずれも、福島県沿岸部に偏在していることが一目瞭然である。南相馬市浪江町富岡町いわき市では震災関連死が100人を超えている。新地町を除き、町村部自治体は関連死の方が直接死より多い。


 東日本大震災における震災関連死に関する報告では、原因を次のように断じている。

 福島県は他県に比べ、震災関連死の死者数が多く、また、その内訳は、「避難所等への移動中の肉体・精神的疲労」が380人と、岩手県宮城県に比べ多い。これは、原子力発電所事故に伴う避難等による影響が大きいと考えられる。
 宮城県岩手県と違い、福島県浜通りは、原災避難の影響が大きい。地域の病院等の機能が喪失したために多くの患者を移動させることになった。動かしてはいけない状態の人を長時間かけて移動させ、更に別の地域へ移動を重ねるなどの事態となったことが大きいと感じた。


 助かるはずの命が多く失われている。原発事故による直接死はないことを強調する方々に、この数字についてどのような感想をもつか尋ねてみたい。