PT・OT・ST国家試験合格者発表2013

 理学療法士作業療法士言語聴覚士国家試験の合格者が発表された。第48回理学療法士国家試験及び第48回作業療法士国家試験の合格発表について第15回言語聴覚士国家試験の合格発表についてに合格率が載っている。


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 今年の受験者数、合格者数、合格率は以下のとおりである。

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  11,391  10,104  88.7%
作業療法士  5,279  4,079  77.3%
言語聴覚士  2,381  1,621  68.1%


 過去5年間の受験者数、合格者数、合格率を示す。
# 2012年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  11,956  9,850  82.4%
作業療法士  5,821  4,637  79.7%
言語聴覚士  2,263  1,410  62.3%


# 2011年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  10,473  7,786  74.3%
作業療法士  5,824  4,138  71.1%
言語聴覚士  2,374  1,645  69.3%


# 2010年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  9,835  9,112  92.6%
作業療法士  6,469  5,316  82.2%
言語聴覚士  2,498  1,619  64.8%


# 2009年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  9,119  8,291  90.9%
作業療法士  6,675  5,405  81.0%
言語聴覚士  2,347  1,344  57.3%


# 2008年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  7,997  6,924  86.6%
作業療法士  5,783  4,257  73.6%
言語聴覚士  2,574  1,788  69.5%


 2008〜2013年の受験者数を見ると、PTは7,997→9,119→9,835→10,416→11,956と増加傾向だったが、今年は初めて11,391名と減少した。一方、OTは5,783→6,675→6,469→5,794→5,821→5,279と2009年をピークに減少に転じている。2013/2009年比は0.79であり、この4年間で2割も減少した。STは1,788→2,347→2,498→2,374→2,263→2,381であり、大きな変動はない。
 養成校急増の一方、受験者数減少というねじれ現象が生じていることを考えると、全国規模で養成校の定員割れが生じていると推測する。教育条件に対する指導や監査も厳しくなっており、経営困難に陥いる養成校が増加すると予測する。少子化が進むなかで、自由競争による淘汰が教育現場に押し寄せている。


<参考資料>
 第1回言語聴覚士試験があった1999年から今年までの合格率は以下のとおりである。

理学療法士 作業療法士 言語聴覚士
2013年  88.7%  77.3%  68.1%
2012年  82.4%  79.7%  62.3%
2011年  74.3%  71.1%  69.3%
2010年  92.6%  82.2%  64.8%
2009年  90.9%  81.0%  57.3%
2008年  86.6%  73.6%  69.5%
2007年  93.2%  85.8%  54.5%
2006年  97.5%  91.6%  62.4%
2005年  94.9%  88.4%  55.8%
2004年  97.9%  95.5%  68.4%
2003年  98.5%  91.6%  42.0%
2002年  95.7%  90.6%  53.8%
2001年  96.9%  94.8%  49.1%
2000年  95.4%  97.5%  42.4%
1999年  93.5%  90.6%  87.9%


 公益社団法人 日本理学療法士協会をみると、PTの合格率推移に関して、次のことがわかる。昭和41年に第1回国家試験があり、昭和49年までは移行措置があった。この間の合格率はきわめて低く、概ね10%台であり、高くとも21.6%だった。以後、合格率は漸増し、昭和58年(1983年)の82.5%を最後として、90%台をキープしていた。しかし、2011年には74.3%と大きな落ち込みを見せたが、2012、2013年度は80%台に回復した。
 OTは2008年から80%前後に合格率が低下している。また、STは第1回の87.9%が最も高く、翌年から大きな落ち込みを見せている。最近は概ね60%台を保っているが、PT・OTと比較すると低い水準となっている。