PT・OT・ST国家試験合格者発表2017

 理学療法士作業療法士言語聴覚士国家試験の合格者が発表された。国家試験合格発表|厚生労働省に合格率・合格者数が載っている。


 今年の受験者数、合格者数、合格率は以下のとおりである。

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  13,719  12,388  90.3%
作業療法士  5,983  5,007  83.7%
言語聴覚士  2,571  1,951  75.9%


 過去5年間の受験者数、合格者数、合格率を示す。
# 2016年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  12,515  9,272  74.1%
作業療法士  6,102  5,344  87.6%
言語聴覚士  2,553  1,725  67.6%


# 2015年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  12,035  9,952  82.7%
作業療法士  5,324  4,125  77.5%
言語聴覚士  2,506  1,776  70.9%


# 2014年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  11,129  9,315  83.7%
作業療法士  5,474  4,740  86.6%
言語聴覚士  2,401  1,779  74.1%


# 2013年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  11,391  10,104  88.7%
作業療法士  5,279  4,079  77.3%
言語聴覚士  2,381  1,621  68.1%


# 2012年

受験者数 合格者数 合格率
理学療法士  11,956  9,850  82.4%
作業療法士  5,821  4,637  79.7%
言語聴覚士  2,263  1,410  62.3%


 第1回言語聴覚士試験があった1999年から今年までの合格率は以下のとおりである。

理学療法士 作業療法士 言語聴覚士
2017年  90.3%  83.7%  75.9%
2016年  74.1%  87.6%  67.6%
2015年  82.7%  77.5%  70.9%
2014年  83.7%  86.6%  74.1%
2013年  88.7%  77.3%  68.1%
2012年  82.4%  79.7%  62.3%
2011年  74.3%  71.1%  69.3%
2010年  92.6%  82.2%  64.8%
2009年  90.9%  81.0%  57.3%
2008年  86.6%  73.6%  69.5%
2007年  93.2%  85.8%  54.5%
2006年  97.5%  91.6%  62.4%
2005年  94.9%  88.4%  55.8%
2004年  97.9%  95.5%  68.4%
2003年  98.5%  91.6%  42.0%
2002年  95.7%  90.6%  53.8%
2001年  96.9%  94.8%  49.1%
2000年  95.4%  97.5%  42.4%
1999年  93.5%  90.6%  87.9%


 2012〜2017年のPT受験者数を見ると、2014年までは減少を続け、11,129名となった。しかし、その後は増加傾向となり、2017年は過去最高の13,719名となっている。前年度合格率が低く、既卒者が2,998名と多かったことが影響している。新卒者は10,721名であり、前年度とほぼ同じである。合格率は持ち直し、2010年以来の90%超えとなった。新卒者の合格率は96.3%と著しく高い。既卒者も合格者数・率は、前年度の610名31.2%から2,069名69.0%と大幅に持ち直している。昨年落ちた受験者が一念発起して頑張ったのかもしれないが、おそらく前年度と比べ今年度の国試の難易度が低かったことが最大の要因と推測する。
 OTの受験者は前年度の6,102名から5,983名と微減となった。新卒者は5,303名であり、合格者・率は4,800名90.5%となっている。計算すると、既卒者は680名であり、合格者・率は207名30.4%とかなり低い。
 STの受験者数は2,571名と緩やかに増加傾向にしている。既卒・新卒の内訳はわからない。
 この間の規制緩和のなかで、リハビリテーション関連職種養成校は急増した。しかし、国家試験を新卒で受験する者の数をみると、ほぼ頭打ちとなっている。少子化進行とともに、定員割れ起こしている養成校が少なくないと思われる。各養成校が生き残りをかけて教育の質の向上に心がけた結果が合格率上昇に結びついたのなら幸いである。