被災3県二次医療圏ごとの人口10万対医師数

 東日本大震災は、医師過疎地域をおそった。二次医療圏ごとの人口10万対医師数資料が、平成21年地域保健医療基礎統計|厚生労働省第13表 二次医療圏別にみた人口10万対医療従事者数にあったので、被災3県のデータを抜粋する。


# 二次医療圏別にみた人口10万対医師数( )内は沿岸部自治

  • 全国 224.5
  • 岩手県
    • 盛岡 287.3
    • 岩手中部 134.7
    • 胆江 155.3
    • 両磐 152.5
    • 気仙 132.5 (大船渡、陸前高田 ほか)
    • 釜石 135.4 (釜石、大槌)
    • 宮古 116.4 (宮古、山田 ほか)
    • 久慈 112.9 (久慈、普代 ほか)
    • 二戸 131.4
  • 宮城県
  • 福島県
    • 県北 255.6
    • 県中 191.2
    • 県南 143.9
    • 会津 169.4
    • 会津 102.5
    • 相双 119.1 (相馬、南相馬、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、新地、飯舘)
    • いわき 167.6 (いわき)


 各県とも医学部所在地がある二次医療圏(盛岡、仙台、県北)は高い。一方、それ以外の地域は全て全国平均を下回る。特に津波被害を受けた沿岸部の医師数は全国平均の50〜75%にとどまる。
 東日本大震災後、被災3県を卒後研修先に選ぶ研修医が減っている。また、東京電力原発事故の影響による医師流出も起こっている。もともと医療過疎地域だった東北地方がより深刻な医師不足にさらされている。