NHKスペシャル「闘うリハビリII」、2月8日に放送
NHKスペシャルで、リハビリテーション医療の問題が取り上げられる。「闘うリハビリII 〜寄せられた"声"をたずねて〜 (仮)」という題で、2月8日に放送される。
リハビリ(=全人間的復権)に取り組む人々は全国に200万人。2008年2月に放送したNHKスペシャル「闘うリハビリ」では、私たちの脳に秘められた限りない再生力を解き明かし、超早期リハビリという医療の常識をくつがえすリハビリの可能性を伝え、番組には多数の手紙やメールが寄せられた。
NHKスペシャル
人々の声から浮かびあがってきたのは、彼らが直面している現実の厳しさ。『もうこれ以上やってもよくなりませんよ、とリハビリを打ち切られ、絶望している』『いったんリハビリを中断したら体の状態が極端に悪化してしまった』。障害の部位・程度によって個別差があるにもかかわらず、制度では180日を境に医療保険でのリハビリは打ち切られるのが原則だ。現在起きている問題は、医療保険から介護保険のリハビリにシフトする際に“断絶”が起こり、多くの患者が継続的な機能の回復を達成出来ず、逆に機能を悪化させてしまっていること。
番組では、2008年春、脳出血に倒れて以降リハビリを続ける藤田太寅キャスター(元NHK解説委員)が現場へと出向き、回復の途上に立ちふさがる「壁」とは何か、それを乗り越えるにはどうすればいいのか、何が必要なのか、当事者の目線に立って伝えていく。
リハビリテーション問題に関し行政訴訟を起こした澤田石先生の写真が最も目立つ場所に掲示されている。このことだけでも、NHKスペシャル取材班の意気込み・覚悟が伺える。放映を通じ、疾患別リハビリテーション料算定日数上限問題や回復期リハビリテーション病棟への成果主義導入問題などのため、適切なリハビリテーション医療が提供できなくなっているという非情な現実が明らかになると予測する。リハビリテーション医療が直面している様々な「壁」について、多くの視聴者の方に問題意識を抱いていただけるようになることを期待する。