ワタミの内部告発者首切り、和解で決着

 内部告発者の首切り事件(ワタミ)(2008年6月3日)が和解で決着した。

「和民」内部告発した元バイト店員の懲戒解雇撤回
2009年1月23日9時48分


 居酒屋「和民」を全国展開する外食大手のワタミフードサービス(東京)のアルバイト店員だった20代の男性が「勤務時間の切り捨てを内部告発した後、報復で解雇された」として同社に慰謝料など約450万円を求めた訴訟が、同社が懲戒解雇を撤回して自主退職扱いとし、解決金75万円を支払う内容で大阪地裁(菊井一夫裁判官)で和解した。14日付。


 男性は「名誉回復とアルバイトの待遇改善を求めてきた。おおむね納得できる形で決着できた」。親会社ワタミの広報担当者は「円満解決を図った」と話している。


 訴訟記録によると、男性は大阪府内の店舗で勤務時間の端数が切り捨てられ、30分単位などで丸めて記録されたため、賃金の一部が未払いになっているとして06年7月に北大阪労働基準監督署に通報。ワタミ側は同9月、「従業員への暴力」などを理由に男性を懲戒解雇したが、男性は「暴力はなく、内部告発への報復だ」と訴え、昨年6月に提訴した。地裁が同11月、双方に和解を勧告した。


 ワタミフードサービスは勤務時間切り捨てについて06年秋に北大阪労基署から是正勧告を受け、全国47店のアルバイト店員217人に計約1200万円の未払い賃金を支払った。(宮崎園子)

http://www.asahi.com/national/update/0123/OSK200901230001.html


 内部告発をしたアルバイト店員は、「労基署に行くようなやつは企業にとって脅威」という暴言をはかれたうえで懲戒解雇された。サービス残業を強要していた行為に関し、ワタミは非を認めた。さらに、男性にたいする報復措置に関しても、解決金を払う形で和解をせざるえなくなった。ワタミの全面的な敗北である。
 勇気ある告発をした店員の名誉は回復された。しかし、ワタミの出したコメントに真摯な反省の弁はない。労働基準法を遵守しないという企業体質が本当に改められたのかどうか、疑問を感じる。