東日本大震災発生1周年

 東日本大震災が起こって、本日でちょうど1年となる。不思議なことにさほど感傷的な気分とはなっていない。おそらく、1年前に起こった出来事というよりは、この間継続して関わってきた現在進行形といえる事象だからだと思う。
 震災発生直後の混乱を乗り越え、医療機能・介護機能の一部を失いながら病院機能を安定化させることに苦闘した時期を経て、なんとか現在は安定している。大破状態となり使用不可能となった外来棟の取り壊しも、やっと2月初めには終わった。








 まっさらな更地に病棟・外来機能を持つ建物を建設するための準備を進めている。順調に行けば、来年末には竣工する。現在の病棟に管理部門と介護機能を集約させる予定で構想を練っている。現存の建物改修は新棟完成後からとなる。最終的な完成型は2014年3月頃であり、ちょうど2年後である。
 震災は均一に被害をもたらした訳ではない。医療機関をみても、被害ゼロというところから再建を断念したところまで幅が広い。当院もまかり間違えば再建困難といえるほどの損傷を受けたが、全国からの支援、地域からの期待を受け、ここまで到達できた。先は長いが、現在の路線を丹念に進めていけば良いという実感がある。
 TVや新聞では、東日本大震災1周年とのことで特集を組んで大々的に報道している。きっと明日からは過去のこととして報道量は大幅に減ると予測する。感情に訴える映像が減り、復興への取組みが散発的に報じられるだけではないかと危惧する。ニュースバリューに欠ける個々の地道な取組みが震災後の復興を支えていることを忘れて欲しくはないと思う。