DPC病院からの転院には注意が必要
本日、リハビリテーション医学会の回復期(転院)というポスターセッションで発表をしてきた。どこの回復期リハビリテーション病棟も、急性転化について悩んでいることがわかった。
同一病院内の患者だけ受け入れているところと、急性期病院からの患者がほとんどのところでは、急性転化率はかなり違う。前者は、転棟前のチェックは容易であり、合併症のコントロールで悩むことは少ない。一方、後者では転院して初めて全身状態に問題があることに気づく。特に、DPC病院からの依頼には気をつけなければならない。包括性医療のため必要最小限の検査しか行っておらず、かつ、在院日数短縮が至上命題となっている。肺炎や尿路感染症を起こしていても、転院させてくる。貧血があっても消化管チェックがされておらず、調べてみたら胃癌が見つかったという例もある。ADLが低い患者や廃用症候群でのリハビリテーション依頼では、急性転化率が高い。
回復期リハビリテーション病棟間の競争が激化すると、重症患者でも受け入れざるをえない。今年の診療報酬において、重症患者率は15%から20%に引き上げられた。回復期リハビリテーション病棟側に、高い医学的管理能力が求められる時代となってきている。ただし、本来なら、医療機器や診療科がそろっている急性期病院側で医学的管理方針をしっかり立てて申し送るべきである。DPCのつけを回復期リハビリテーション病棟側に回すことを当然視させないために、今回のデータを急性期病院側にも伝えていくことにしたい。