発症から回復期病棟入棟までの期間、短縮の可能性

  厚生労働省:第169回中央社会保険医療協議会総会資料の中に資料(総−1)(PDF:2,050KB)がある。この中に、「平成22年度診療報酬改定における主要改定項目について(案)」が示されている。146ページに、回復期リハビリテーション病棟入院料に関し、次の記載がある。

(3) 発症早期からのリハビリテーションの提供を推進するため、発症から回復期リハビリテーション病棟入棟までの期間が一部定められているが、急性期病棟において1日6単位以上の充実したリハビリテーションが提供された日数については、当該日数から除外して計算する。


 本文章は、2月10日の中医協に突然出てきた。ちょうど、再診料問題で中医協委員が熱くなっていた時期であり、CBニュースでもさらりとしか触れられていない。「当該日数から除外」という部分は、延長・短縮どちらの意味か不明である。
 最初は、1日6単位以上を急性期病院でリハビリテーションを行っていれば、その分、発症から回復期病棟までの待機期間を延長しても良いという意味かと思った。重症の脳卒中の場合、発症から2ヶ月以上治療を継続せざるをえない場合がある。そのような重症患者でも、1日6単位以上のリハビリテーションを行っていれば、回復期リハビリテーション病棟利用という選択肢が残されていますよ、という飴を急性期病院にぶらさげているのかと読み取った。
 逆に、急性期から1日6単位以上も行っているのなら、その分を待機期間から差し引くという読み方も可能である。例えば、1日6単位以上を15日間行っていれば、待機期間は2ヶ月間ー15日間=1.5ヶ月に短縮される。そもそも急性期からリハビリテーションを集中的に行えるような患者だったら、回復期リハビリテーション病棟はより早く引き取りなさいというメッセージだとしても意味が通じる。
 厚労省官僚の思惑が不明であり、どちらの意味かは細かな施設基準が明らかにならないと何とも言えない。いずれにせよ、急性期病院では、毎日のリハビリテーション施行単位数を確認するという余計な作業が加わることになる。