多田富雄先生のご遺志を受け継いで

 悲しいニュースが飛び込んできました。本日午前、免疫学者の多田富雄先生が前立腺がんでご逝去されました。心からご冥福をお祈りいたします。


 本ブログの記念すべき初日に書いたエントリーは、多田富雄先生の著書を読んで(2007年12月9日)でした。その後も、リハビリテーション医療の打ち切り制度撤廃運動(2006年)(2008年3月2日)リハビリテーション医療再生を目指して(2008年3月4日)などで、多田富雄先生の活動を取り上げました。人見知りの強い自分が不特定多数に向かって文章を書き続けるという行為を起こすきっかけとなったのが、多田富雄先生でした。
 この数年、診療報酬や介護報酬の改定において、リハビリテーション医療は翻弄され続けました。特に、リハビリテーション医療打ち切り問題と回復期リハビリテーション病棟への成果主義導入問題は、専門家としての誇りを著しく傷つけるものでした。リハビリテーション医療が矮小化され、理念が汚されることに怒りを感じてなりませんでした。しかし、多田富雄先生が不自由なお身体ながら不条理に立ち向かう姿に何度も勇気づけられなかで、リハビリテーション専門医として情報発信を積極的に行うことの意味を悟りました。
 本ブログには、多田富雄先生のDNAが植え付けられていると自覚しています。学校の授業でも、疾患別リハビリテーション算定日数上限撤廃運動の話を必ず行っています。先生のご遺志を受け継ぐためにも、心ならずも身体に障害を負った方々のために専門職集団が何をすべきかを考えながら、地道にブログを書き続けていくつもりです。