まつ毛エクステンションにおける危機管理
厚労省の新着情報を見ていたら、厚生労働省:まつ毛エクステンションの危害情報についてというものが目についた。独立行政法人国民生活センターの公表資料、まつ毛エクステンションの危害をみると、次のような事態になっている。
4.危害事例にみられるまつ毛エクステの問題点
1) 美容師の資格を持たない者が施術している
まつ毛の施術には美容師資格が必要であるが、事例には美容師資格を持っていない人が施術していると思われるケースがみられる。
2)目元の施術であることや接着剤の使用など危害が生じる要素が多い
まつ毛を加工したり目元で化学物質を使う施術は、目に不要な刺激を与えたり目の危害に直結する危険がある。
エクステ用の接着剤の正確な成分は不明だが、瞬間接着剤と同じシアノアクリレート系が主だと思われる。シアノアクリレート系の接着剤は接着速度が早いが、人体ともよく接着するうえ、皮膚につくとやけどの危険性もある。
まつ毛エクステの施術には、目やまつ毛に関する知識や、高度な技術と細心の注意が必要である。
3) トラブル時の対応に問題のある店舗が見られる
危害が生じたことを店舗に申し出ても、責任者が対応しなかったり、アレルギー体質によると決めつけて責任を認めなかったり、同意書や念書へのサインを理由に一切対応しないなど、サービスを提供する事業者として対応に疑問が持たれる店舗もある。
医療職は、リスク管理に関して敏感である。そもそも、医療行為自体、リスクがあったとしてもそれ以上に利益があるという前提で身体に侵襲を加えることが許されている。患者の権利を尊重し、十分に納得したうえで医療を行うという流れはもはや押し止めることはできない。
一方、周辺領域では、リスク対策が不十分であるように感じられる。慰安のために行うリラクゼーションや、美容関係業種では、身体に危険を及ぼす恐れがあるという認識が欠如しているのではないかという不安がある。
苦情を受け付けない態度をとっているところは論外である。美容師法に明らかに抵触している場合、行政として適切な対応をすることが求める。自らを律することのできない業者は強制的に退場処分するしかない。