平成22年度診療報酬改定について、中医協答申が出る
平成22年度診療報酬改定について、中医協答申が出た。厚生労働省:第169回中央社会保険医療協議会総会資料の中に資料(総−1)(PDF:2,050KB)がある。この中に、「平成22年度診療報酬改定における主要改定項目について(案)」が示されている。さらに、(別紙1)に具体的な改定項目が示されている。
リハビリテーションに関する主要改定項目をみると、下記のようになっている。
# 疾患別リハビリテーションの充実について(140〜143ページ)
1.疾患別リハビリテーションの充実
【脳血管リハビリテーション料】
- 脳血管リハビリテーション料(I)
- (2)以外の場合 245点(+10点)
- 廃用症候群の場合 235点(据え置き)
- 脳血管リハビリテーション料(II)
- (2)以外の場合 200点(+10点)
- 廃用症候群の場合 190点(据え置き)
【運動器リハビリテーション料】
【心大血管疾患リハビリテーション料】
- 心大血管疾患リハビリテーション料(I) 200点(据え置き)
2.発症早期からのリハビリテーションの充実
【早期リハビリテーション加算】
- 早期リハビリテーション加算 45点(+15点)
3.維持期のリハビリテーションについて
【維持期のリハビリテーションについて】
- 維持期における月 13単位までのリハビリテーションの提供を継続する。
脳血管疾患リハビリテーション料は、廃用症候群以外、引き上げられた。廃用症候群に対する脳血管疾患リハビリテーション料は、大幅な引き下げの可能性があると私は予測したが、据え置きとなった。
新設される運動器リハビリテーション(I)の算定要件は、「入院中の患者に対し、運動器リハビリテーションを行った場合に算定する。」となっている。具体的な施設基準は明らかにはなっていない。整形外科疾患は入院と外来の差別化が実施される。入院中は(I)で請求するが、退院後は(II)の点数になる。
心大血管疾患リハビリテーション料については、医師要件の見直しが行われた。「循環器科又は心臓血管外科の医師が心大血管疾患リハビリテーションを実施している時間帯において常時勤務しており、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務していること。」という表現になっている。循環器科又は心臓血管外科の医師が、他の業務でもかまわないので、リハビリテーションを行っている時間帯に支援に来ているならば、心大血管疾患リハビリテーション料を算定できるというように要件を緩和したと推測する。
早期加算は大幅な引き上げとなった。一方、維持期は現状維持となった。急性期から脳血管疾患等リハビリテーションを積極的に行っている場合、これまでの235+30=265点から245+45点=290点と35点のアップとなった。
# 回復期等における充実したリハビリテーションの評価(144〜147ページ)
1.充実したリハビリテーションを行う回復期リハビリテーション病棟の評価について
【回復期リハビリテーション病棟入院料】
(加算要件)
回復期リハビリテーション病棟入院料1、2とも点数が引き上げられる。いずれにおいても、「回復期リハビリテーションを要する状態の患者に対し、1人1日あたり2単位以上のリハビリテーションが行われていること」という文言が加わった。また、入院料1においては、重症患者率は1割5分から2割に引き上げられた。
「休日リハビリテーション提供体制加算」の算定要件は、「休日を含め、週7日間リハビリテーションを提供できる体制をとっていること」である。365日リハビリテーションにつけられた点数である。「リハビリテーション充実加算」は、「回復期リハビリテーションを要する状態の患者に対し、1人1日あたり6単位以上のリハビリテーションが行われていること」が算定要件である。
いわゆるフラッグシップ病院の場合は次のようになる。
この他、亜急性期病棟におけるリハビリテーションの評価、がん患者や難病患者に対するリハビリテーションの評価、地域連携診療計画退院時指導料で退院後の連携に対する評価などがあるが、後日に検討を回す。
<追記>
回復期リハビリテーション病棟入院料の項目に次の文言が加わっている。
(3) 発症早期からのリハビリテーションの提供を推進するため、発症から回復期リハビリテーション病棟入棟までの期間が一部定められているが、急性期病棟において1日6単位以上の充実したリハビリテーションが提供された日数については、当該日数から除外して計算する。