回復期リハビリテーション病棟を持つ施設の現状

 厚生労働省:第26回中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会資料内にある資料(検−2−3)の全体版(PDF:1,059KB)より、施設調査の内容を紹介する。参考資料として、平成19年(2007)医療施設(動態)調査・病院報告の概況|報道発表資料 統計情報部|報道発表資料|報道・広報|厚生労働省を用いた。


# 回答病院の概況

  • 疾患別リハビリテーション料は、脳血管Iが90.1%、運動器Iが98.2%と多いのに対し、呼吸器Iが60.9%、心大血管Iが8.8%と少ない。


# 病床の状況

  • 回復期リハビリテーション病棟のみの病院は10.8%だった。一般病床を持っている病院が最も多く、70.7%だった。


# 職員配置

  • 土曜におけるリハビリテーションに係る職種の出勤状況:92.2%の施設で出勤。平日の出勤者に対する割合は、PT70.8%、OT71.0%、ST67.3%。
  • 日曜におけるリハビリテーションに係る職種の出勤状況:73.3%の施設で出勤。平日の出勤者に対する割合は、PT24.3%、OT25.6%、ST15.4%。


# 退院支援体制

  • 退院支援の実施状況:93.6%。うち、退院支援を専ら担当する部署は82.5%で設置。


【施設調査に関するまとめと私見
 回復期リハビリテーション病棟を持つ病院は中小病院が中心であり、100〜299床の病院が過半数を占める。保健医療福祉複合体が多く、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションなどのサービスをあわせて行っている。他の病院と比べると、リハビリテーション専門職は充実しているが、医師数は逆に少ない。中でも、リハビリテーション科医師は100床当たり0.6人に過ぎない。土曜にリハビリテーション実施している施設は9割以上である。一方、日曜は約3/4にとどまっており、リハビリテーション専門職の出勤も平日よりかなり少ない。
 厚労省が進める医療施設の機能分化の中で、回復期リハビリテーション病棟は中小病院の生き残り策となっている。しかし、回復期リハビリテーション病棟がある病院でも、リハビリテーション科医師数はきわめて少なく、養成が急務である。365日リハビリテーションを目指すためには、日曜体制の保障が鍵を握る。