2009年5月18日現在、国立感染症研究所感染症情報センター、新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)確定症例数をみると、新型インフルエンザ確定患者数で、日本が4番目になった。
上位3ヵ国は、米国4,714名、メキシコ3,103名、カナダ496名であり、厚生労働省が定める「新型インフルエンザが蔓延している国」に該当する。日本は125名である。本日のデータをみると、合計169名となっている。日本の伸び率の高さが気になる。
日本国内で多数発生しているにも関わらず新型インフルエンザ検疫を継続することは、他の国からすると不可思議な事象に映る。そうした中、機内検疫を週内に終了するという報道がされた。
厚生労働省は十九日、新型インフルエンザの国内流入阻止に向け、米国やメキシコ便などを対象に行っている機内検疫を週内にも終了する方針を固めた。今後、段階的に検疫態勢を縮小するという。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009051902000231.html
感染者数の増大スピードからみると、水際作戦は不成功に終わったというしかない。また、機内検疫の物々しさは、新型インフルエンザに対する恐怖心を喚起し、社会不安をもたらした。新型インフルエンザの毒性、感染性が明らかになるにつれ、強毒型インフルエンザを想定した対策を機械的に行ったことは批判されてしかるべきである。
今後は、現場の医療体制を地域の特性にあわせ、どう組み立て直していくかが問われている。少なくとも、発熱外来を持つ一部の医療機関に任せたままにはできない。