季節性インフルエンザ発生数は引き続き減少
季節性インフルエンザの中に、新型インフルエンザが紛れ込んでいるのではないかという不安が囁かれている。
国立感染症研究所感染症情報センターが報告しているインフルエンザ流行マップをみると、次のような状況となっている。
2009年第18週のインフルエンザの全国レベルでの定点当たり報告数は3.23(報告数14,933)となり、2週連続で減少した。都道府県別状況では秋田県(14.2)、北海道(11.6)、鹿児島県(8.3)、長野県(7.7)、沖縄県(6.3)、岩手県(6.2)、福井県(6.1)、福島県(6.0)の順となっている。警報レベルを超えている保健所地域は12箇所(6道県)、注意報レベルのみを超えている保健所地域は31箇所(11道県)と共に減少した。
インフルエンザ流行マップ 2009年 第18週 (4月27日〜5月3日) 2009年5月8日現在
インフルエンザウイルスの検出状況については、第19週のコメントをご参照ください。
2009年第19週のインフルエンザの全国レベルでの定点当たり報告数は、1.68(報告数7,963)となり、3週連続で減少した。都道府県別では秋田県(8.4)、沖縄県(7.2)、北海道(5.3)、鹿児島県(4.5)、長野県(4.4)、福井県(4.0)、福島県(3.6)、岩手県(3.5)の順となっている。第18週から第19週にかけてほとんどの都道府県で減少となっているが、沖縄県、香川県においてのみ若干の増加がみられる。警報レベルを超えている保健所地域は7箇所(4道県)、注意報レベルのみを超えている保健所地域は14箇所(8道県)と共に減少した。
インフルエンザ流行マップ 2009年 第19週 (5月4日〜5月10日) 2009年5月13日現在
2008年第36週以降これまでに、インフルエンザウイルスの検出はAH1(Aソ連)型3,341件、AH3(A香港)型1,555件、B型1,545件が報告されている。
関西地域において新型インフルエンザの地域内感染伝播が疑われている現状では、病原体サーベイランスにおけるAH1亜型ウイルスの動向に留意すべきである。
少なくとも、定点報告をみる限り、インフルエンザ発生数は減少している。ただし、今後の報告で、インフルエンザ発生数が増加ないし停滞するようなら、新型インフルエンザの流行を示唆することになる。新型インフルエンザだけでなく、季節性インフルエンザの動向にも注意を払う必要がある。その意味で、沖縄と香川における増加が気にかかる。