「苦難にある者たちの告白」
「リハビリテーション」をRSSリーダーのキーワードに入れていたところ、「緩和ケア医の日々所感 ***癌の症状緩和と子育てと***」というブログで、素敵な詩に出会った。 ニューヨーク大学リハビリテーション病院の壁には・・より、詩の部分を引用する。
「苦難にある者たちの告白」
−ある患者の詩−
大事を成そうとして、
力を与えてほしいと神に求めたのに、
慎み深く、従順であるようにと
弱さを授かった。
より偉大なことができるように
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた。
幸せになろうとして
富を求めたのに、
賢明であるようにと
貧困を授かった。
世の人々の賞賛を得ようとして、
権力を求めたのに、
神の前にひざまずくようにと
弱さを授かった。
人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに、
あらゆることを喜べるように
命を授かった。
求めたものは一つとして
与えられなかったが、
願いはすべて聞き届けられた。
神の意にそわぬ者であるにもかかわらず、
心の中の言い表せない祈りは
すべてかなえられた。
私はあらゆる人の中で
最も豊かに祝福されたのだ。
(訳者不明)
A CREED FOR THOSE WHO HAVE SUFFERED
I asked God for strength, that I might achieve
I was made weak, that I might learn humbly to obey...
I asked for health, that I might do greater things
I was given infirmity, that I might do better things...
I asked for riches, that I might be happy
I was given poverty, that I might be wise...
I asked for power, that I might have the praise of men
I was given weakness, that I might feel the need of God...
I asked for all things, that I might enjoy life
I was given life, that I might enjoy all things...
I got nothing that I asked for -- but everything I had hoped for
Almost despite myself, my unspoken prayers were answered.
I am among all men, most richly blessed!
作者不明の詩である。ベトナム戦争の戦傷者の作とも言われている。一説によるとそれよりはるかに前、南北戦争の傷病兵が作ったとも伝えられている。
この詩は、ニューヨーク大学医学部、The Rusk Institute of Rehabilitation Medicine の受付の壁に掲げられている。*1
The Rusk Institute of Rehabilitation Medicine は、第二次世界大戦後、世界各国よりリハビリテーション医学を志す医師の研修の場となった。日本リハビリテーション医学会設立に関わった著名な先生たちもここで学んだ。リハビリテーション医学の聖地とも言うべき場所である。その場所に、「苦難にある者たちの告白」という詩が掲げられていることにある種の感慨を感じる。