後期高齢者診療料、地方医師会レベルでのボイコット相次ぐ

 産経ニュース、岡山県医師会が長寿医療制度反対を決議、より。

岡山県医師会が長寿医療制度反対を決議


2008.4.18 02:33


 岡山県医師会(井戸俊夫会長)は17日、後期高齢者医療制度長寿医療制度)が受診者に大きな負担を強いるとして、16日開催の定例理事会で反対決議をした、と発表した。決議文は内閣や衆参両院議長、厚労省日本医師会など関係機関に送付した。
 決議文は、高齢者医療制度が必要としながらも「(長寿制度は)国の責務を減らして患者に負担を求め、主治医制度の導入でフリーアクセスを阻害する」と指摘。「包括医療、制限診療に導く」と反対を表明している。


 続いて中国新聞松江市医師会は主治医制拒否、より。

松江市医師会は主治医制拒否 '08/4/18


 後期高齢者医療制度長寿医療制度)の「主治医制度」について、松江市医師会は導入しない方針を決め、17日、会員に同調を文書で呼び掛けた。


 文書は、専門の違う複数の医師が連携していた従来の診療ができなくなることや、複数の疾患が多い高齢者の実情に対応していないことを指摘。これまで通り出来高請求を続けるよう求めている。


 市医師会によると、患者の「囲い込み」の懸念や、専門的な診療ができなくなることで医師と患者との信頼関係が損なわれる恐れがあるとしている。患者1人当たり月6000円の報酬について「心電図、血液検査などをすると足りない」との声も出ているという。


 佐賀新聞後期高齢者医療の「主治医制」“拒否” 県医師会、より。

後期高齢者医療の「主治医制」“拒否” 県医師会


 75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度で、佐賀県医師会(沖田信光会長、会員約1400人)は17日、理事会を開き、慢性疾患を抱える患者を1人の医師が診察し、診療報酬は包括制(1カ月6000円定額)にする「外来主治医(高齢者担当医)制度」を採用せず、従来の「出来高払い制度」の維持を会員に要請することを決めた。包括制を拒否する理由について医師会は「きめ細かな診療が提供できなくなる恐れがある」としている。


 外来主治医制度は、高齢者が複数の医療機関を受診することによる医療費高騰を抑制するため、慢性疾患を抱える患者を原則1人の主治医が一元管理し診察する。検査や画像診断、処置、医学管理などの診療報酬は総額で月6000円と定められている。


 同制度を採用するためには、各医療機関社会保険事務局に届ける必要がある。だが県医師会の理事会は同日、全会一致で会員に対し同制度の届けを出さないよう要請することを決定。診察した分の診療報酬が生じる従来の「出来高払い制度」を選ぶよう求める。早ければ今週中にも会員に文書を送付する。


 沖田会長は「診療原価が6000円を超え、病院側からの持ち出しが増えれば、本来必要な検査や診察を提供できなくなる可能性もあり、粗診粗療につながる」といい、慢性疾患の患者は複数の専門医にかかっている場合も多く「患者からフリーアクセスの権利を奪う」とも訴える。


 外来主治医制度については、宮崎県医師会なども同様の決定をしており、国は地方医師会から反旗を翻された形。厚生労働省医務課は「一人の医師に総合的に診察してもらい、相談などが受けやすい制度にするのが本来の趣旨。医療の質の低下を理由にされるのは残念だ」と話している。


04月18日更新


 福島放送高齢者の新医療制度見送り/安達医師会、より。

高齢者の新医療制度見送り/安達医師会


2008年04月18日 10時07分


後期高齢者医療制度長寿医療制度)で新設された「後期高齢者診療料」制度に二本松市などをエリアとする安達医師会(会員数91人)が取り組まない方針を決め、会員に文書で通知していたことが17日分かった。


新制度は医師を中心に、現実的ではないとの批判があがっており、本田岳会長は「様子を見ていく必要がある」としている。


同医師会は役員15人による会議で、新制度の算定・請求は現段階では見合わせるべきとの結論に達したという。


高齢者は1人で複数の慢性疾患を持つケースが多いため、本田会長は「1つの医療機関を選択するのは現実的に難しく、混乱が生じる可能性がある」と説明。


診療報酬が定額では医療サービスの制限につながり兼ねないとの懸念も示した。


 後期高齢者診療料に対し、地方医師会レベルでのボイコットが相次いでいる。