リハビリテーション総合実施計画書料算定は毎月算定可能
リハビリテーション総合実施計画書料は、今回の改定により、480点 → 300点と下がった。その代わり、入院初月、2月、3月、6月(外来の場合には、開始月、2月、3月、6月)にしか算定を認められなかったが、患者1人につき1月に1回算定できるようになった。心大血管リハビリテーション料(I)、脳血管疾患等リハビリテーション料(I)及び(II)、運動器リハビリテーション料(I)、呼吸器リハビリテーション料(I)の施設基準に適合していることが条件である。
リハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション総合実施計画書に関係する部分を通知から引用する。
A308 回復期リハビリテーション病棟入院料
(8) 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画書を作成し、これに基づいたリハビリテーションの効果、実施方法について共同で評価を行った場合は、区分番号「H003-2」リハビリテーション総合実施計画書料を算定できる。
別添4 特定入院料施設基準等
第11 回復期リハビリテーション病棟入院料
(6) 別添6の別紙20又は別添6の別紙21に基づきリハビリテーションの実施計画の作成の体制及び適切なリハビリテーションの効果、実施方法等を定期的に評価する体制がとられていること。
別添6の別紙20又は別添6の別紙21とは、リハビリテーション総合実施計画書の書式である。
第7部 リハビリテーション
<通則>
4 疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、別紙様式21から21の3までを参考にしたリハビリテーション実施計画書を作成する必要がある。また、リハビリテーションの開始時及びその後(疾患別リハビリテーション料の各規定の注3にそれぞれ規定する場合を含む。)3ヶ月に1回以上(特段の定めのある場合を除く。)患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録にその要点を記載すること。
また、疾患別リハビリテーションを実施している患者であって、急性期又は回復期におけるリハビリテーション料を算定する日数として、疾患別リハビリテーション料の各規定の注1本文に規定する日数(以下「標準的算定日数」という。)を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う場合(疾患別リハビリテーション料の各規定の注3にそれぞれ規定する場合を除く。)のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合(特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に掲げる患者であって、別表第九の九第一号に掲げる場合)は、継続することになった日を診療録に記載することと併せ、継続することになった日及びその後1ヶ月に1回以上、リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又は家族に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付すること。なお、当該リハビリテーション実施計画書は、1)これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)、2)前月の状態との比較をした当月の患者の状態、3)将来的な状態の到達目標を示した今後のリハビリテーション計画と改善に要する見込み期間、4)機能的自立度評価法(Functional Independence Measure、以下この部において「FIM」という。)、基本的日常生活活動度(Barthel Index、以下この部において「BI」という。)、関節の可動域、歩行速度及び運動耐容能などの指標を用いた具体的な改善の状態等を示した継続の理由、などを記載したものであること。
4の2 疾患別リハビリテーションを実施している場合であって、標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者(疾患別リハビリテーション料の各規定の注3にそれぞれ規定する場合を除く。)のうち、患者の疾患、状態等を総合的に勘案し、治療上有効であると医学的に判断される場合(特掲診療料の施設基準等別表第九の八第二号に掲げる患者であって、別表第九の九第二号に掲げる場合)は、継続することになった日を診療録に記載することと併せ、継続することになった日及びその後3ヶ月に1回以上、リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又は家族に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付すること。なお、当該リハビリテーション実施計画書は、1)これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)、2)前月の状態との比較をした当月の患者の状態、3)今後のリハビリテーション計画等について記載したものであること。
(中略)
9 疾患別リハビリテーションを実施する場合には、診療報酬明細書の摘要欄に、疾患名及び当該疾患の治療開始日又は発症日等を記載すること。また、標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合(特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に掲げる患者であって、別表第九の九第一号に掲げる場合)は、1)これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)、2)前月の状態との比較をした当月の患者の状態、3)将来的な状態の到達目標を示した今後のリハビリテーション計画と改善に要する見込み期間、4)FIM、BI、関節の可動域、歩行速度及び運動耐容能などの指標を用いた具体的な改善の状態等を示した継続の理由を摘要欄に記載すること。ただし、リハビリテーション実施計画書を作成した月にあっては、改善に要する見込み期間とリハビリテーション継続の理由を摘要欄に記載した上で、当該計画書の写しを添付することでも差し支えない。なお、継続の理由については、具体的に次の例を参考にして記載すること。
本患者は、2006年9月21日に脳出血を発症し、同日開頭血腫除去術を施行した。右片麻痺を認めたが、術後に敗血症を合併したため、積極的なリハビリテーションが実施できるようになったのは術後40日目からであった。2007年2月中旬まで1日5単位週4日程度のリハビリテーションを実施し、BIは45点から65点に改善を認めた。3月末に標準的算定日数を超えるが、BIの改善を引き続き認めており、リハビリテーション開始が合併症のために遅れたことを考えると、1ヶ月程度のリハビリテーション継続により、更なる改善が見込めると判断される。
疾患別リハビリテーション料の各規定の注3にそれぞれ規定する場合とは、標準的算定日数を超えてリハビリテーションを行った場合1月13単位に限り算定できるものとする、という規定である。
疾患別リハビリテーション料を算定している場合には、3ヶ月に1回、リハビリテーション実施計画書記載が義務づけられる。これは、標準的算定日数を超えてリハビリテーションを行った場合(1月13単位に限り算定)でも同様である。治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合も同じである。
一方、標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者で、治療上有効であると医学的に判断される場合は、1月に1回、実施計画書記載が求められ、さらに、診療報酬明細書の摘要欄にも詳しく記述することになる。
回復期リハビリテーション病棟の場合には、詳しい規定はないが、事実上月に1回のリハビリテーション総合実施計画書作成が必要となるだろう。
入院・外来問わず、リハビリテーション総合実施計画書記載を毎月行う体制を整えた方が良い。定期的にカンファレンスを行えば、漏れがなく計画書記載ができ、かつ、診療報酬算定も可能となる。