回復期リハビリテーション病棟入院料Iの算定は早くても10月から

 回復期リハビリテーション病棟入院料Iの算定には、直近6ヶ月間の重症患者(日常生活機能評価10点以上)入院率と在宅復帰率のデータが必要となる。重症患者回復病棟加算も同様である。詳しくは、回復期リハビリテーション病棟入院料Iの施設基準をご覧いただきたい。


 重症患者の評価に関わる日常生活機能評価については、次のように記載されている。

 当該病棟への入院時等に測定する日常生活機能評価は、別添6の別紙22を用いて測定すること。また、当該日常生活機能評価表の記入は、院内研修を受けたものが行うものであること。なお、院内研修は、次に掲げる所定の研修を終了したもの(修了証が交付されているもの)若しくは評価に習熟したものが行う研修であることが望ましい。
ア 国及び医療関係団体等が主催する研修であること(1日程度)
イ 講義及び演習により、次の項目を行う研修であること
(イ) 日常生活機能評価の考え方、日常生活機能評価表の構成と評価方法
(ロ) 日常生活機能評価に係る院内研修の企画・実施・評価方法


 CBニュース新回復期リハ「データあれば6月算定も」に、算定開始がいつから可能かについての厚労省見解が紹介されている。

 今回の改定で回復期リハビリテーション病棟入院料(現在1,680点)は、同入院料1(1,690点)と同入院料2(1,595点)に再編される。
 このうち入院料1の算定要件には▽新規入院患者の1割5分が重症患者▽退院患者のうち、他の医療機関への転院等を除く患者の割合が6割以上−−などが組み込まれ、入院患者の日常生活機能の改善が目覚ましい場合には「重症患者回復病棟加算」(50点)を算定できる。基準を満たさない場合は入院料2を算定する。

 今年3月末時点で同入院料を算定している病棟では、9月末まで現行の点数の算定が認められるが、森光氏はこの日の説明会で「(中医協による)答申を受けて(実績データ)を既に取り始めている病院もあると思う。実績が良いから6月や8月からとりたいと申請があれば、データがきちんとそろっていたら認める」と強調。これらの病院が6か月分のデータをそろえて申請し、認められた場合は10月を待たずに算定できることを明確にした。

 また、4月以降、新たに同入院料の算定を始める場合には「6か月分の実績がなければ同入院料2を算定することになる」と説明した。


 全国回復期リハ病棟連絡協議会日常生活機能指標評価者研修会が急いで行われた理由がこれで説明できる。


 疾患別リハビリテーション料は、施設基準が高いIを中心に軒並み引き下げられた。その代償として回復期リハビリテーション病棟入院料I+重症患者回復病棟加算をとろうと思っても、事実上、2008年10月以降でないと、算定できない。さらに、研修会を受講するのが遅れれば、10月以降、低い診療報酬であるIIを算定せざるをえない。
 厚労省の誘導に従って早くから日常生活機能評価を研修を受けたところには、多少甘い汁を吸わせ、そうでないところには、罰を与える。4〜10月の6ヶ月間だけでも、かなりのリハビリテーション関係診療報酬削減が生じ、医療機関は悲鳴をあげる。その上で、回復期リハビリテーション病棟入院料Iへ誘導する。アメとムチで厚労省の思惑どおりの診療をさせるつもりらしい。