BMIが開く未来
脳科学研究の第一人者川人光男先生が、ブレイン・マシン・インターフェース(Brain Machine Interface 以下、BMI)研究の現状を一冊の新書にまとめた。
- 作者: 川人光男
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/08/10
- メディア: 単行本
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以前、脳波を使った意思伝達装置(2010年3月22日)と脳波を使った意思伝達装置、ニューロコミュニケーター開発(2010年3月30日)で、BMIのことを取り上げた。脳活動の計測をリハビリテーションに応用する試みも行われている。BMIはリハビリテーション医療にとって、重要な分野となりつつある。
本書では、BMIの歴史、原理、将来像が平易な言葉でわかりやすく説明されている。もともと物理学者だった著者が神経科学の基礎研究者となり、BMIやロボット工学に関わってきた経過が記載されている。この分野が、医学と工学両者にまたがる学際的分野であることがよくわかる。医療分野への応用が本格化すると、将来、莫大な利益を生む産業となるのではないかと考えられている。
これだけの内容を230ページあまりの本にまとめるとなると、どうしても専門用語が説明を省略して多用されることになる。私は医学関係はわかるが、工学関係となるとチンプンカンプンである。一般向けとしては、やや難解ととらえられるかもしれない。
本書で紹介されている技術は、まさしく最先端の脳科学である。エントリーのネタになりそうな話題が満載である。興味ある部分を深めて、本ブログでも紹介できればと考えている。