東北新幹線、新型車両の愛称は「はやぶさ」

 東北新幹線の青森延伸が12月4日に決まり、新型車両E5系の愛称が「はやぶさ」に決まった。公募結果は次のとおりだった。

<E5系愛称の公募結果>
    名称    件数
 (1)はつかり  8,948
 (2)はつね   7,184
 (3)みちのく  5,904
 (4)つがる   4,888
 (5)はやて   4,200
 (6)みらい   4,130
 (7)はやぶさ  3,129
 (8)かわせみ  2,957
 (9)ねぶた   2,272
(10)とわだ   1,984

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/05/20100512t73033.htm


 分類すると、次のようになる。
1.現行新幹線名: 「はやて」
2.東北本線奥羽本線の特急・急行名: 「はつかり」、「みちのく」、「つがる」、「とわだ」。「ねぶた」は臨時列車名として使用されている。
3.その他JR特急名: 「はやぶさ」(九州行きの寝台特急名)。
4.新名称: 「はつね」、「みらい」、「かわせみ」。

 10位以内に入っていないが、第2群に含まれるものとしては、「はくつる」、「ゆうづる」、「白鳥」、「八甲田」などがある。
 歴史ある「はつかり」や「みちのく」の人気が高かったが、新幹線のスピード感に合わないとのことで見送られたようだ。また、「つがる」や「ねぶた」は、津軽地方のイメージが強すぎ、南部地方の反発を招くおそれがあり、回避されたと推測する。なにしろ、豊臣秀吉の奥州征伐のおりに、大浦為信(津軽為信)が、南部氏に背いて独立したことが遠因となり、両者は犬猿の仲となっている。東北自動車道東北新幹線のルート決定の際にも、地元政界では政争の具となった。「とわだ」は観光地だが、青森県の一地方名に過ぎない。しかも、秋田県境に存在しており、青森全体を代表するには適当ではない。
 第2位の「はつね」に関しては、色づかいが「初音ミク」に似ているからということで組織票が入ったようだ。「かわせみ」はJR西日本で開発していた500系新幹線のニックネームだったとのこと。いずれも、マニア票が中心とのことで選ばれなかった。
 以上より、「はやて」の他に、「はやぶさ」と「みらい」が最終選考に残ったのではないか。個人的には「みらい」の斬新さが望ましいと考える。また、「はやて」継続でも構わなかったとも思う。
 考えてみると、東北地方の特急名は鳥の名にちなんでいるものが多い。かつて仙台・東京間を走っていた特急名も「ひばり」だった。同じ鳥の名前なら「いぬわし」というのもあるが、楽天イーグルスとかぶる。いずれにせよ、東北人はおおらかで細かなことを気にしないから、「はやぶさ」という名称もすぐに定着すると予想する。