新型インフルエンザワクチン、小児は前倒しを検討
11月6日、新型インフルエンザワクチンの接種方針に関する足立政務官の記者会見が行われた。
小児における感染状況や重症化の事例を踏まえ、厚生労働省が自治体に対して、新型インフルエンザワクチンの小児に対する接種の開始を前倒しできないか検討してもらうよう依頼したことを報告します。
# 資料
11月6日 足立政務官会見資料〜インフルエンザ(A/H1N1)ワクチンの小児への接種時期の前倒し等について〜11月9日。
資料をみると、小児の入院率、重症化率がきわだって高いことを端的に示されている。基礎疾患のない小児に対しも、新型インフルエンザワクチン接種を急ぐべきであることがたった4枚のパワーポイントで明瞭に示されている。
本会見はマスメディアではほとんど報道されなかった。このことに関して、足立政務官は憤りをぶちまけている*1。私も足立政務官と同意見である。伝えるべき情報を見抜く知性がなく、興味本位の話題ばかりをとりあげるマスメディアなど存在価値がない。
データが積み重なってくると、当初の方針を適切なものに変更する必要が出てくる。臨床では当たり前のように行われている方針の変更を、臨床医としても経験豊富な足立政務官が主導して行った。たとえ、誤っていても一度決めたことを決して覆そうとしない厚労省官僚たちとは明らかに異なる。
マスメディアの中には、政治主導の意味を、政治家と官僚の主導権争いという立場からしか捉えられない者が少なからずいる。厚労省の出す政策が健康を守るという立場から適切であるかどうかという視点に欠けている。残念ながら、専門的に医療問題を取材しているロハス・メディカルのようなメディアと異なり、大手マスコミの姿勢には、不勉強としか言えないものを感じてならない。