高齢者ドライバーに対する認知機能検査、6月1日から開始
警察庁が、高齢者ドライバーに対する講習予備検査(認知機能検査)を公表した。詳細は、講習予備検査(認知機能検査)について(H21.5.21更新)をご覧いただきたい。
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講習予備検査については、次のように説明されている。
講習予備検査とは
記憶力や判断力を測定する検査で、時間の見当識、手がかり再生、時計描画という3つの検査項目について、検査用紙に記入して行います。講習予備検査は、警察から委託された教習所等で受けることができます。検査の実施、採点、結果の通知まであわせて約30分ほどで終わります。
検査は、検査の実施方法について講習を受けた検査員の説明を受けながら進みますので、特別な準備は不要です。
具体的には、次の3つの検査項目を受けます。
- 時間の見当識
- 検査時における年月日、曜日及び時間を回答します。
- 手がかり再生
- 一定のイラストを記憶し、採点には関係しない課題を行った後、記憶しているイラストをヒントなしに回答し、さらにヒントをもとに回答します。
- 時計描画
- 時計の文字盤を描き、さらに、その文字盤に指定された時刻を表す針を描きます。
検査終了後、採点が行われ、その点数に応じて、「記憶力・判断力が低くなっている方」、「記憶力・判断力が少し低くなっている方」、「記憶力・判断力に心配のない方」と判定が行われます。
検査結果は、その場で書面で通知されます。
高齢者講習では、記憶力・判断力に合わせた、わかりやすい講習を行います。特に、車を運転するときには、検査の結果に基づいて、助言をします。
検査の結果、「記憶力・判断力が低くなっている」との結果であっても、運転免許証の更新はできますが、信号無視や一時不停止などの特定の交通違反を更新の前に行っていた場合または更新後に行った場合は、警察から連絡があり、専門医の診断を受けるか主治医の診断書を提出することになります。認知症であると診断された場合には、免許が取り消されます。
実際に中身をみたが、なかなか難しい。少なくとも二日酔いや寝不足の時に受験すると、若年者でも減点される可能性がある。
最も難しいのは、手がかり再生である。4×4=計16枚の絵を記憶し、別の検査を行った後、思い出して回答する(自由再生)。その後、手がかりを示し、回答を求める(手がかり再生)。
HDS-Rにも同様の検査がある。「さくら、猫、電車」という3つの言葉を覚えてもらい、別の検査をした後思い出してもらう、という遅延再生課題である。近時記憶を評価するものであり、アルツハイマー型認知症患者で顕著に低下する。
なお、採点は、「自由再生時の正答数及び手がかり再生時の正答数を記録し、自由再生又は手がかり再生のいずれかで正しい答を記載した項目数を点とする。」となっている。
認知症高齢者の交通事故が増える中、本検査が導入された。「記憶力・判断力が低くなっている」と判断された高齢者ドライバーが、主治医に相談に来る機会が増える。認知症に対する基礎的知識はかかりつけ医にとっても必要になってくる。