後期高齢者特定入院基本料見直しに関する中医協総会資料
後期高齢者特定入院基本料見直しに関する中医協総会資料が提示された。一般病棟の長期入院患者の入院基本料について 資料(総−6)(PDF:367KB)より、冒頭部分を引用する。
一般病棟に長期入院している高齢の脳卒中患者・認知症患者に関する診療報酬に係る経過的な措置について
平成20年8月
厚生労働省保険局
1.制度の概要
・急性期の入院医療を提供するための病棟である一般病棟に90日を超えて入院する高齢者については、難病患者や重度の障害者等、密度の高い医療を必要とする患者を除き、平成10年から、診療報酬(入院料)が減額されることとされている。
※ 例:看護配置が10 対1の場合、13,000 円→9,280 円(1 日)
・平成20年度改定において、一般病棟が本来担うべき役割を明確にするため、対象患者の見直しを行い、脳卒中患者や認知症患者のうち、重度の意識障害、人工呼吸器装着、喀痰吸引等のない患者についても診療報酬を減額することとし、半年間の準備期間を設け、10月から実施することとした。
※ 併せて、退院調整加算の創設や、脳卒中医療の充実など、医療機関等同士の連携促進策を実施
2.経過的な措置の内容
・今般の対象患者の見直しにより、退院を迫られる患者が生じることのないよう、きめ細やかな配慮を行う。
・具体的には、「既に入院している患者」及び「疾病発症当初から当該病棟に入院した新規患者」のうち、医療機関が退院や転院に向けて努力をしている患者については、機械的に診療報酬の減額の対象とすることはしない。
※ 社会保険事務局に「退院支援状況報告書」を提出いただく。
※ 退院支援状況報告書には、病名や日常的に行われている医療行為、退院に係る問題点・課題や退院に向けた支援の概要等を記載いただく予定。
※ 一定期間経過後、実態の把握を行う。
後期高齢者特定入院基本料見直しに関しては、以下のエントリーで記載した。
後期高齢者医療制度の中で最も害毒が高い診療報酬が後期高齢者特定入院基本料である。後期高齢者医療制度の該当者で、しかも、脳卒中と認知症患者だけが、なにゆえに診療報酬減額の対象とならなければいけないのか。解散総選挙が近づき、与党の圧力を受け、厚労省は後期高齢者特定入院基本料の見直しをせざるをえなくなった。除外規定の撤廃ではなく、「退院支援状況報告書」記載という医療機関に負担のかかる方法を課すことには納得がいかない。中医協でどのような議論をされるのか見守りたい。