中央社会保障協議会声明、憲法25条を蹂躙する「後期高齢者医療制度」は、直ちに廃止を

 中央社会保障協議会、憲法25条を蹂躙する「後期高齢者医療制度」は、直ちに廃止を、より。

中央社保協代表委員会08.4.1声明「憲法25条を蹂躙する後期高齢者医療制度は直ちに廃止を」


(声明)
憲法25条を蹂躙する「後期高齢者医療制度」は、直ちに廃止を


2008年4月1日


中央社会保障推進協議会
 代表委員 住江 憲勇
  同   柴田真佐子
  同   吉田 万三
  同   成平 正英
  同   井上 賢二 


 本日政府は、高齢者と国民の声を無視し、野党4党で2月28日に提出している「後期高齢者医療制度廃止法案(以下「廃止法案」)」を審議さえしないまま、「後期高齢者医療制度(以下「制度」)」を強引にスタートさせました。中央社保協は、憲法25条を蹂躙し、生存権基本的人権を侵害する「うば捨山への通行証」とも言えるこの「制度」を、直ちに廃止することを強く求めます。また、「廃止法案」の審議開始を早期に実現させ、この「制度」を廃止させるために、地域・職場から国民的共同の運動をいっそう拡大・強化するものです。


 この「制度」は、75歳以上の高齢者1,300万人を健保や国保から追い出し、保険料は年金から天引き、収入のない人からも保険料を徴収、払えなければ保険証を取り上げる、さらに年齢で区切って差別医療を行うという、世界に類のない過酷で強権的な制度です。後期高齢者は複数の病気があり治療が長期にわたる、認知症が多い、必ず死を迎えるとして、診療報酬に外来診療の「包括払い(月6,000円)」や「在宅で終末期を迎えさせるしくみ」を導入し、75歳を境に低廉な医療内容へと差別するもので、いのちの平等を奪う非情な制度です。国民無視の実施強行は新たな怒りを国民の中に巻き起こすことは必至です。


 さらに、この「制度」の実施に便乗して、70歳から74歳の病院窓口負担を1割負担から2割へ引き上げ、加えて「制度」の保険料天引きにとどまらず、65歳から74歳の国保料・税の年金天引き、年金からの住民税徴収までを可能にしています。正にライフラインの確保以前に保険料を差し押さえされるようなものです。


 中央社保協は、国民のいのちと健康を年齢で差別する憲法違反の制度を絶対に認めることはできません。医療費削減のみを目的にこの「制度」を強行成立させた政府と自民党公明党の責任は極めて重大であり、国政に禍根を残すものです。


 この「制度」の内容が国民に知られるにつれて、驚きと怒りが広がり、反対の声が日に日に高まっています。制度の中止を求める請願署名は、500万筆を超え、見直しや中止・撤回を求める地方議会の決議・意見書は540を超えています。


 中央社保協は、1958年9月に結成され今年50年を迎えます。憲法25条を守る旗を掲げ、一貫して社会保障制度の拡充を求め、所得再配分機能と応能負担原則が基本の社会保障予算確保にも粘り強く取り組んできました。「後期高齢者医療制度」を廃止させることはもちろんのこと、格差と貧困をいっそう拡大させ、消費税増税社会保障財源化」を目論む政府の低医療費政策・構造改革路線をストップさせるためにさらに力をつくします。


以上


(2008-4-1 10:25)

 中央社会保障協議会とは…より引用する。

 日本の社会保障制度の改善をめざして、労働組合、医療、福祉関連の諸団体、女性団体などの組織が集まって、1958年に創設されました。共同して運動をすすめる組織です。
 1960年代の朝日訴訟、小児マヒから子どもを守る運動、70年代の老人医療費無料化の運動、80年代から今日にいたる医療、年金、福祉、介護などの改善運動をすすめてきています。
 また、県や地域に組織をつくり、地域の要求にもとづく運動をすすめています。


 現在、全国労働組合総連合(全労連)など27の労働組合全国保険医団体連合会(保団連)など13の民主団体が参加しています。(加盟団体一覧)
 47都道府県すべてに県社保協があります。市区町村を基礎にして組織している地域社保協も250の地域で結成されています。


 いま、介護保険国民健康保険制度の改善の他、来年予定される医療制度の「改革」に、大きな問題ありと反対の運動をすすめています。


 中央社会保障協議会とは、生存権闘争で有名な朝日訴訟の一翼を担った組織である。なお、朝日訴訟については、NPO朝日訴訟の会 ホームページを参照していただきたい。


 中央社会保障協議会は、後期高齢者医療制度中止・撤回運動の要となり、署名活動などを旺盛に取り組んでいる。