こうしたら病院は良くなった!(共鳴部分)
- 作者: 武弘道
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2005/01
- メディア: 単行本
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公立病院改革懇談会のメンバーである、武弘道先生の著書「こうしたら病院は良くなった!」を読んだ。読後感は、共鳴8割異論2割というところである。
武弘道先生のプロフィールを示す。
鹿児島市立病院小児科科部長 → 鹿児島市立病院院長兼病院管理事業者 → 埼玉県病院事業管理者(埼玉県立4病院の経営責任者:がんセンター、循環器・呼吸器病センター、小児医療センター、精神医療センター)→ 川崎市病院事業管理者(川崎市3病院の経営責任者:川崎病院、井田病院、多摩病院)。川崎市病院事業管理者としてのお仕事は、週間病院新聞(2005年5月5日)に詳しく記載されている。
共鳴する部分を、著書中に記されたキーフレーズを列挙することで示す。
# はじめに
- 病院管理事業者という仕事は、企業で言えば最高経営責任者(CEO)に相当するものである
- これからどんどん進む「国の医療費抑制政策」「病院職員の高齢化」「新しい医療機器や診療材料の出現とそれに伴う費用の増加」そして最後には、大学病院を含めた、生き残りをかけての「他病院との競争の激化」
- 日本の病院、なかでも公立病院は改革されねばならない
- 病院人の「意識改革」がなされれば、病院は変わりうる
# 第1〜8章 埼玉県立病院改革に関する部分など
- 患者さんが増える病院は良い病院だ
- 旗印は「県民の方を向いた患者さんのための医療」
- 埼玉では4病院全部に看護師副院長を置くことによって経営が大きく改善され、医療サービスが向上し、患者さんからの評判もぐっと良くなった
- 「経営権は何も渡されていないのに、経営悪化の責任だけとらされてたまるか」というのが院長達の本音である
- 全職員が経営の実態を把握
- 医師採用時に面接をし評価する
- 良い医者が集まってくると、病院は自然に栄える
- 払う金は貴い県民の税金である
- 経営の良い病院は一様に似ているが、経営の悪い病院はそれぞれ異なった要因で経営が悪い
- 職員の間に一体感があり、病院への強い帰属意識があれば、そこに「愛病院精神」が生まれる
- 各病院の経営指標を、この20年間順位をつけて比較し、どの因子が経営状態の上昇または下降とからむのかを検討してきた(ベンチマーキング)
- 院長の役割に「ヒトとヒトとの摩擦を和らげる」お仕事がある
- 今の時代の院長業は朝から夕まで頭の下げ通しなのである
- 良い事務長とは病院を理解し、官僚臭を捨てて病院人に溶けこみ、激変する医療環境に絶えず目を配りながら勉強を続け、的確に院長を補佐できる人である
- 看護師諸君、もっと声を出せ!
- 技師集団は病院の柱だ
- 縁の下の力持ち役の人々を忘れるな
- 病院医療は交響楽の演奏だ