地域包括ケア病棟入院料におけるリハビリテーション医療の位置づけ

 地域包括ケア病棟入院料に関する資料は、中央社会保険医療協議会 総会(第272回) 議事次第内にある、総−1(PDF:2,142KB)の25〜27ページ、別紙1−1(医科診療報酬点数表)(PDF:3,154KB)の入院料等45/71〜51/71ページにある。


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 中央社会保険医療協議会 総会(第272回) 議事次第内にある、総−1(PDF:2,142KB)を見ると、次のような記載がある。

第1 基本的な考え方
 急性期後の受入をはじめとする地域包括ケアシステムを支える病棟の充実が求められていることから現在の亜急性期入院医療管理料を廃止した上で、新たな評価を新設する。


第2 具体的な内容
1.急性期後・回復期を担う病床を充実させるため、1)一定の重症度、医療・看護必要度基準を満たす患者の診療実績、2)在宅療養支援病院、二次救急病院又は救急告示病院等であること、3)在宅復帰率の実績、4)診療内容に関するデータの提出等の施設基準を設定した病棟等の評価を新設する。


(新) 地域包括ケア病棟入院料1   2,500点(1 日につき)
(新) 地域包括ケア入院医療管理料1 2,500点(1 日につき)
(新) 地域包括ケア病棟入院料2   2,000点(1 日につき)
(新) 地域包括ケア入院医療管理料2 2,000点(1 日につき)
(新) 看護職員配置加算   150点(1 日につき)
(新) 看護補助者配置加算  150点(1 日につき)
(新) 救急・在宅等支援病床初期加算 150点(1日につき・14 日まで)


[算定要件]
 1 ) 60日を限度として算定する。
 2 ) 地域包括ケア入院医療管理料について、自院で直前にDPC/PDPSで算定していた患者が転床した場合は、特定入院期間中は引き続き DPC/PDPS で算定する。


[施設基準]
地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む)1及び2
 1) 疾患別リハビリテーション又はがん患者リハビリテーションの届出を行っていること。
 2) 入院医療管理料は病室単位の評価とし、届出は許可病床200床未満の医療機関で1病棟に限る。
 3) 療養病床については、1病棟に限り届出することができる。
 4) 許可病床200床未満の医療機関にあっては、入院基本料の届出がなく、地域包括ケア病棟入院料のみの届出であっても差し支えない。
 5) 平成26年3月31日に10対1、13対1、15対1入院基本料を届け出ている病院は地域包括ケア病棟入院料を届け出ている期間中、7対1入院基本料を届け出ることはできない。
 6) 看護職員13対1以上、専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士1名以上及び専任の在宅復帰支援担当者1人以上が配置されていること。
 7) 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度A項目○点以上の患者を10%以上入院させていること。
 8) 次のいずれかを満たすこと

  • ア 在宅療養支援病院の届出
  • イ 在宅療養後方支援病院(新設・後述)として年3件以上の在宅患者の受入実績があること
  • ウ 二次救急医療施設の指定を受けていること
  • エ 救急告示病院であること

 9) データ提出加算の届出を行っていること。
 10) リハビリテーションを提供する患者について、リハビリテーションを1日平均2単位以上提供していること。


地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む)1
 1) 在宅復帰率が7割以上であること
 2) 1人あたりの居室面積が内法による測定で6.4m2以上であること。


 一方、別紙1−1(医科診療報酬点数表)(PDF:3,154KB)の入院料等45/71〜51/71ページをみると、リハビリテーション料に関して、亜急性期入院医療管理料と地域包括ケア病棟入院料において、大きな違いがあることがわかる。

A308-2 亜急性期入院医療管理料(1日につき)→ (削除)


 (中略)

注4 診療に係る費用( (略)第7部リハビリテーション、(略)を除く。)は、亜急性期入院医療管理料1に含まれるものとする。

A308-3 地域包括ケア病棟入院料(1日につき)


(中略)


注6 診療に係る費用(注3から注5に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、在宅患者緊急入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(一般病棟に限る。)、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染防止対策加算、患者サポート体制充実加算、救急搬送患者地域連携受入加算(一般病棟に限る。)及びデータ提出加算、区分番号B 005-3に掲げる地域連携診療計画退院時指導料(I)、第2章第2部在宅医療、区分番号H004に掲げる摂食機能療法、区分番号J038に掲げる人工腎臓並びに別に厚生労働大臣が定める除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、地域包括ケア病棟入院料1、地域包括ケア入院医療管理料1、地域包括ケア病棟入院料2又は地域包括ケア入院医療管理料2に含まれるものとする。


 医科診療報酬点数表の違いは明らかである。亜急性期入院医療管理料の包括除外項目に含まれていたリハビリテーション料が、地域包括ケア病棟入院料には記載されていない。しかし、算定要件には、疾患別リハビリテーション料の届け出、療法士専従配置、そして、リハビリテーション提供患者に対する1日2単位以上のリハビリテーション医療の提供が義務づけられている。リハビリテーション料で出来高で算定できるのは、摂食機能療法だけとなる。亜急性期入院医療管理料と比べ、地域包括ケア入院料1の診療報酬は1日500点近く上がっているが、リハビリテーション医療の包括相当部分と考えるべきである。患者1人あたり毎日3単位以上提供していた亜急性期入院医療料算定病床からすると、マイナス改定となる。このような病棟は、リハビリテーション料は出来高払いのまま残っている回復期リハビリテーション入院料の方がメリットが大きくなる。


 もう1つ問題となるのが、総合入院体制加算である。該当資料は、中央社会保険医療協議会 総会(第272回) 議事次第内にある、総−1(PDF:2,142KB)の14〜16ページ、別紙1−1(医科診療報酬点数表)(PDF:3,154KB)の24/71ページにある。資料には、次のような記載がある。

【総合入院体制加算】
1 総合入院体制加算1 240点(新)
2 総合入院体制加算2 120点


(中略)


[施設基準]
1 総合入院体制加算1


(中略)


4)地域包括ケア病棟入院料(新規・後述)、地域包括ケア入院医療管理料(新規・後述)および療養病棟入院基本料の届出を行っていない医療機関であること。


(中略)


2 総合入院体制加算2
※ 新規に届け出る際は、地域包括ケア病棟入院料(新規)、地域包括ケア入院医療管理料(新規)および療養病棟入院基本料の届出を行っていない医療機関であること。


 急性期医療機関で、在院日数短縮の目的で亜急性期医療管理料病床を利用し、リハビリテーションを集中的に行なっていたところは、地域包括ケア病棟入院料を算定できないという制限を受けることになる。


 急性期医療機関の受け皿として、地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟とが並立する。リハビリテーション医療を集中的に行なう患者を対象とする場合には、明らかに回復期リハビリテーション病棟の方が使いやすい。亜急性期医療管理料算定病棟でリハビリテーションを集中的に行なっていた医療機関は、回復期リハビリテーション病棟への転換が迫られる。地域包括ケア病棟は、リハビリテーション医療の需要の少ない患者、例えば、要介護高齢者が肺炎などの急性疾患に罹った場合の退院調整に使われるというイメージになる。地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟との違いを認識し、棲み分けを図る必要が生じている。