2010年度診療報酬改定:廃用症候群の扱い

 2010年度診療報酬改定の詳細が出た。平成22年度診療報酬改定について|厚生労働省に膨大な資料がある。少しずつ気がついた点をメモしていく。
 本日は、廃用症候群について取り上げる。

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 平成22年度診療報酬改定関係資料、III 通知(PDF:9,031KB)は1,173ページもある資料である。第7部リハビリテーションは、PDFファイルの271〜284ページにある。廃用症候群に関しては、次のように記載されている。


H001 脳血管疾患等リハビリテーション

(3) 脳血管疾患等リハビリテーション料のロに掲げる「廃用症候群の場合」の対象となる患者は、外科手術又は肺炎等の治療時の安静による廃用症候群の患者であって、治療開始時において、FIM115以下、BI85以下の状態等のものをいう。

(1110) 廃用症候群に該当するものとして脳血管疾患等リハビリテーション料を算定する場合は、廃用をもたらすに至った要因、臥床・活動性低下の期間、廃用の内容、介入による改善の可能性、改善に要する見込み期間、前回の評価からの改善や変化、廃用に陥る前のADLについて別紙様式22を用いて、月ごとに評価し、診療報酬明細書に添付する又は同の情報を摘要欄に記載するとともに、その写しを診療録に添付すること。


 別紙様式22「廃用症候群に係る評価表」が、PDFファイルの428ページにある。


 リハビリテーション料の施設基準についての記載は、PDFファイルの907〜923ページにある。

(1) 脳血管疾患等リハビリテーション料(I)の施設基準に係る届出は、別添2の様式42を用いること。


 本文中に記載されていないが、様式42「リハビリテーションの施設基準に係る届出書添付書類」の次、PDFファイルの1033ページに、様式42の2「廃用症候群に係る実績報告書」がある。


 正直、この手でまたきたか、という思いがある。医療機関の業務量を増やし、精神的負担をかけ、廃用症候群を原因としたリハビリテーション料の請求を実質的に困難にさせようとしている。改善の可能性がない患者にリハビリテーションを実施していないかというチェックが入る。また、廃用をもたらす要因を第1位から第3位まで提出させることにより、廃用症候群の乱用を防ごうとしている。監査が入りやすくなることにより、大腿骨頚部骨折手術後の廃用症候群が減少することを期待している。