宮城県は慢性的な療法士不足

 第1回宮城県地域医療計画策定懇話会が7月24日に開催された。その資料の中に、県内のPT・OT・STの配置数の表がある。


 平成22年10月時点で、人口10万対PT・OT・ST配置数は、全国平均68.7であるのに対し、宮城県は49.6と72.2%にとどまっている。医療圏の格差も大きい。東日本大震災で甚大な被害を受けた気仙沼医療圏が23.0と最も低く、全国平均の33.5%にすぎない。最も多い石巻医療圏でも58.1で全国平均を下回る。仙台医療圏はさらに低く55.8である。
 旧黒川医療圏が、平成18年10月の7.3から84.8と急増しているのが目を引く。新規に回復期リハビリテーション病棟が2ヶ所開設されたことが影響していると推測する。医療圏ごとにみると、回復期リハビリテーション病棟がある医療圏に療法士が集中している傾向がある。
 最近、仙南、栗原、登米各医療圏の基幹病院に新たに回復期リハビリテーション病棟が開設され、空白地域が解消された。気仙沼医療圏でも計画がある。各医療圏に回復期リハビリテーション病棟をつくり、そこを拠点として地域リハビリテーションを展開するという方針がようやく実現に移されようとしている。
 宮城県は、高齢化が進んでいるにも関わらず、慢性的な療法士不足となっている。慣れない仮設住宅で高齢者が不自由な生活を強いられるなかで、生活不活発病に陥り、寝たきりになってしまうことが危惧されている。しかし、全く手が足りない。リハビリテーション専門職にとって、宮城県は働きがいのある場所である。フロンティア精神に富む多くの療法士に震災復興のための力を貸して欲しいと心から願う。