「名ばかり管理職」 新語・流行語大賞トップテン入り
毎年恒例のhttp://singo.jiyu.co.jp/index.htmlが発表された。今年選ばれた言葉の中で、本ブログの中で取り上げたものがあるので、関連エントリーをあわせ、紹介する。
# 名ばかり管理職(トップテン) 受賞者:高野広志(日本マクドナルド店長)
関連エントリー「名ばかり管理職」に対する名ばかり制度改革(2008年5月24日)より。
月に百時間を超える時間外労働をこなしながら、「管理職だから」という理由で、マクドナルドの店長が残業代を支払われなかった。
労働基準法では、一日八時間・週四十時間の労働が原則で、それを超える残業には、割増賃金を払う定めだ。だが、「管理職」には残業代などを払う義務がないのである。
この店長は「不当だ」と訴え、東京地裁も今年一月、残業代約七百五十万円の支払いを命ずる判決を出した。「管理職」の肩書が名ばかりであることが認められたことで、一気に社会問題化した。
残念なことながら、「名ばかり管理職」は今年の流行語大賞にノミネートされることは間違いない。端的に世相を言い表している。昔からあった「サービス残業」と表裏一体の関係にある。
# あなたとは違うんです(トップテン) 受賞者:受賞候補者辞退のため、該当者なし
関連エントリー福田首相退陣会見「あなたとは違う」(2008年9月2日)より。
インターネットの反応は、福田首相「あなたとは違う」発言 「流行語大賞候補」とネットで注目 : J-CASTニュースに詳しく載っている。
福田首相在任中の出来事として記憶されるのは、この発言だけかもしれない。まあ、どうでも良いことですが。
この他、「埋蔵金」、「後期高齢者」なども本ブログで言及した。
「あなたとは違うんです」や、大賞となった「グー」や「アラフォー」などは、来年になれば忘れ去られてしまうだろう。しかし、「名ばかり管理職」は、「偽装請負」や「ワーキングプア」、「蟹工船」とならんで、労働環境劣悪化が改善しない限り、使用され続ける。その意味で、「サービス残業」や「過労死」の系列に連なる寿命の長い言葉になると予想する。