温泉湯量・湯温が変化、地震の前兆研究の可能性

 岩手・宮城内陸地震の影響で、付近の観光地が風評被害を被っている。鳴子温泉観光協会ホームページより。

 謹んで震災のお見舞いを申上げます。
 この度の「岩手・宮城内陸地震」により被害を受けられました皆様に、心よりお見舞いを申上げますと共に、一日も早い復旧をお祈り申上げます。


鳴子温泉郷地震による影響について
岩手・宮城内陸地震につきましては皆様にたいへんご心配をおかけしておりますが、お陰様で鳴子温泉郷では、被害は軽微で食器等の破損だけですみました。インフラ関係の影響もありませんでしたのでご安心下さるようお知らせ申し上げます。
●国道 47号線 影響なし 平常どおり通行可
●国道108号線 影響なし 平常どおり通行可
●JR陸羽東線  影響なし 一部徐行運転中
●旅館・ホテル  影響なし 平常どおり営業中
【問合せ】鳴子温泉郷観光協会TEL0229-82-2102


 栗駒駒の湯の土石流による被害が繰り返し報道されたこともあり、宮城県北や岩手県南の温泉地のキャンセルが相次いでいる。しかし、直下型地震だったこともあり、周辺地の被害はほとんどない。


 鳴子温泉郷は次のような魅力あふれる温泉地である。

 日本国内にある11種類の泉質のうち8種がここに集まっています。源泉数は400本以上。昔から東北の湯治場として有名で、温泉の効能や泉質の良さには定評が有ります。春は新緑、夏は避暑地、秋は紅葉、冬はスキーが楽しめるリゾートエリアです。


 各旅館がそれぞれ特徴ある源泉を持っている。例えば、共同浴場「滝の湯」は酸性の硫黄泉だが、湯守であるゆさや旅館は「うなぎの湯」というアルカリ泉硫黄泉で有名である。大好きな鳴子温泉の復活を祈っている。


 その鳴子温泉郷が、地震予知との関係で報道された。朝日新聞地震の前兆?温泉湯量1.5倍に 宮城・鳴子温泉より。

地震の前兆?温泉湯量1.5倍に 宮城・鳴子温泉
2008年7月3日9時42分


 岩手・宮城内陸地震を起こした断層近くの温泉で、地震の発生前に湯量や温度が変化していたことが、旅館主らの話で分かった。「地震の予知につながる可能性がある」として、東北大学理学部地学専攻の大槻憲四郎教授が1日から調査を始めた。


 湯量が変わったのは断層の南側で震源から約30キロにある宮城県鳴子温泉の旅館「弁天閣」の源泉。地震前日の13日午前7時ごろ、通常1分間70リットルの源泉の湯量が1.5倍ほどに増えていることに、旅館主の菊地武信さんが気づいた。菊地さんは「50年間こんな変化はなかった」と話す。


 また、断層の北側で震源から約2キロにある岩手県一関市祭畤の旅館「かみくら」の源泉では、地震1カ月前の5月中旬ごろから42度だった湯温が上がり始めた。1週間前の6月初旬には47度になり、色も普段の黄白色に茶色が混じったという。


 大槻教授は1日、鳴子温泉を訪れ、聞き取り調査を始めた。温泉の変化と地震との関連について「地震の前に岩盤にひび割れができ、より深い層の熱水が源泉に流れ込んでいた可能性がある」とみている。今後、断層そばの各温泉を調査し、地震の予知の可能性や地震の発生の仕組みについて研究したいとしている。(安原裕人)

 今回のような内陸型の地震の場合、温泉の観察により地震予知が可能になるかもしれない。ただし、源泉かけ流しの温泉以外、湯量や湯温をあまり観察していないかもしれない。東北大大槻教授の結果がどうでるか楽しみである。