雇用を守る大企業

 雇用情勢の悪化が社会問題化する中、パートを含めた全従業員の雇用を維持することを宣言した大企業がある。

 京セラの川村誠社長(59)は13日までの共同通信とのインタビューで、世界的な景気悪化にもかかわらず、一層の経費節減や残業を実質ゼロにすることで、パートを含めた全従業員の雇用を維持する考えを示した。


 同社はセラミック部品などの受注が減少、工場の稼働率が落ち込んでいるが、川村社長は「雇用はいじらないのが大原則。社員をはじめ、パートの雇用も守る」と明言。現在は広告宣伝、出張費や残業を減らすことでしのいでおり、今後は、仕事を分け合って1人当たりの労働時間や賃金を減らすワークシェアリング導入もあり得ると話した。

http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009011301000505.html

 今の景気悪化がいつまで続くか、どこで底を打つのか読めない。ただ、雇用を守る企業文化は大事にしたい。社員に安心して仕事に打ち込んでもらい、この苦境を乗り切りたい。


記者のひとこと
 電子部品大手が相次いで派遣社員を削減する中、リストラは考えていないと明言した。ただ、「雇用の維持は本当に大変」と苦笑いする。景気悪化の底が見えないだけに、今後、人件費の重荷が経営の足かせにもなる可能性がある。太陽電池事業の強化など、収益拡大の手腕が問われる。

http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20090113ke02.htm


 トヨタやキャノンなど内部留保をためこんだ多くの大企業が早々と非正規労働者を切り捨てた。自らの社会的使命を忘れた行為の結果、企業イメージは著しく傷ついた。一方、同じ大手企業でも、京セラのように雇用維持を鮮明に打ち出したところもある。同じ製品を買うのなら、京セラのような企業から買いたい、そういう思いがしている。