厚労省ホームページに、10月1日に行われた大臣会見の配布資料がアップされた。資料1． 今後の新型インフルエンザ対策について −ワクチン接種の基本方針−を用いて、長妻昭厚労相が説明を行っている。
この中で、新型インフルエンザワクチン接種を最優先対象となるのは、「インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者（救急隊員を含む）」であり、その数は約100万人と説明されている。
厚生労働省：平成１７年医療施設（静態・動態）調査・病院報告の概況の4 従事者の状況 より、医師と看護職のみを抜き出してみると次のとおりになる。
- 病院（総数）： 約167.3万人（うち医師・看護師・准看護師合計約93.0万人）
- 医師： 約18.0万人
- 看護師： 約56.8万人
- 准看護師： 約18.2万人
- 一般診療所： 約66.9万人（うち医師・看護師・准看護師合計約29.1万人）
- 医師： 約11.3万人
- 看護師： 約7.6万人
- 准看護師： 約10.2万人
上記を単純に合計すると、総数約234.2万人（うち医師・看護師・准看護師合計約122.1万人）となる。(2)救急隊数及び救急隊員数をみると、救急隊員数は全国で約10万人いる。医師や看護職とあわせただけで約132万人となる。医師・看護職でも、インフルエンザ患者の診療に直接従事する者以外の約30万人は、ワクチン接種の対象外となる。当然のことながら、薬剤師、看護業務補助者、介護福祉士、リハビリテーション専門職は、「診療」に関わらないと判断される。医学部学生も対象外となる。
医療従事者約100万人の内訳について、「厚労省、『ワクチン100万人分の内訳決まってない』と説明」－民主党・梅村聡参院議員｜ニュース｜ロハス・メディカルをみると、2009年9月8日の時点で、厚労省幹部は次のように発言している。
「内訳は決まっていない。そこはまだこれから詰めます。」
根拠のはっきりしない数字を説明せざるをえない長妻昭厚労相が気の毒に思えてならない。
