結核は過去の病気ではない

 結核の感染状況に関する舛添厚労相の認識は甘すぎる。

(記者)
ハリセンボンの箕輪はるかさんが、結核だったということで、公開放送や色々な形で多数の方と接触している恐れがあるということで、東京都が相談窓口等を設けているのですが。これについての受け止めをお願いします。


(大臣)
結核というのは日本ではあまり流行しないような状況になっているのですが、このような事が起きてショックです。ただ、相方は四六時中一緒にいて感染してないということなので、ちょっとホッとはしています。ライブなど密閉した空間の中で飛散したものの中に入っていると感染する可能性はあるので、できるだけ検査はするようにしても、ただ、あまりパニックになる必要は無いと思います。治療薬もちゃんとありますので。ただ、必要な検査はやっていただきたいと思います。ちょっとショックでしたけどね。ただ、対応をきちんと厚生労働省もやりたいと思っています。

厚生労働省:平成21年4月7日付大臣会見概要


 パニックになる必要性はないという認識には同意する。しかし、結核は日本ではあまり流行していないということに関しては事実と異なる。疫学情報センター :: ホーム内にある、疫学情報センター :: ホームをみると、日本の結核罹患率について次のような記載がある。

2007年-年報のポイント(文章編)


(1)結核罹患率は20を下まわったが、未だ2万5千人以上の患者の発生がある。
新登録結核患者数 25,311 人 
罹患率(人口10万人対の新登録患者数) 19.8  (対前年比0.8減)


(中略)


(9)世界的に見て、日本は依然として結核中まん延国である。
日本の罹患率(19.8)は、カナダ(4.4)の4.5倍、米国(4.5)の4.4倍、スウェーデン(5.4)の3.7倍


 日本では結核は決して過去の病気でない。