麻生首相、「医者には社会常識が最も欠落している」と発言

 麻生太郎首相の失言と弁明が報道された。NHKニュース、首相 社会常識欠落の医師多いより。

11月19日 18時52分


麻生総理大臣は、総理大臣官邸で開かれた全国知事会との会合に出席し、地方が抱える医師不足の問題について、みずからの考え方を示した際、医師のことを「社会的な常識がかなり欠落している人が多い」と発言しました。


これは、会合の中で出席した知事から「地方が抱える医師不足の問題についてどう考えるか」という質問が出たのに対し、麻生総理大臣が、みずからの考え方を述べた際に発言したものです。この中で麻生総理大臣は、医師不足の問題に関連して「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、はっきり言って、社会的な常識がかなり欠落している人が多いと思われる。とにかく、ものすごく価値判断が違う。それはそれで、そういう方をどうするかという話を真剣にやらないといけない」と述べました。また、麻生総理大臣は「急患が多い診療科は、皆、医者は引く。だとしたら、そういう診療科だけ診療報酬を引き上げるなど、変えてみたらどうか。正直、これだけ医師不足が激しくなってくれば、責任は医師の側にあるのではないか。ただ、目先のことをどうするかというところで、医師不足の声をしんしに受け止めなければならない」と述べました。これについて日本医師会中川俊男常任理事は、定例の記者会見で「麻生総理大臣がそのような発言をするとは、とても信じられない。事実関係を確認したい」と述べました。日本医師会では、麻生総理大臣の発言について、真意を確認したうえで今後の対応を検討することにしています。麻生総理大臣は19日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「おれの友達にも医者がいっぱいいるが、なんとなく話をしても、ふだん、おれとは波長が合わない人が多いと思った。まともな医者が不快な思いをしたというのであれば、それは申し訳ない」と述べました。


 ぶら下がり発言での発言については、【麻生首相ぶらさがり詳報】「失言」の弁明も失言? 医者の友達には「意見、波長が合わない人多い」(19日夜)が詳しい。

麻生首相ぶらさがり詳報】「失言」の弁明も失言? 医者の友達には「意見、波長が合わない人多い」(19日夜) (4/4ページ)
2008.11.19 21:14


【失言】


 −−今日の知事会議…

 「知事会議、はい。知事会議って新聞記者いたんじゃないの?」


 −−その中で、文脈として「医者には社会常識が最も欠落している」と取れるような発言があったが…

 「ああ、そう? それは知らなかった」


 −−その真意は

 「あー、お医者さんてのはオレの友達もいっぱいいるんだけど、なんとなくそういった意味で、なんとなくちょっと、全然、話した意見が全然、普段のオレたちと波長が合わないのが多いなと。友達多いせいかそう思ってました。うちも医者いっぱいいますから。なんて言ったんだって? ちょっと覚えてねえんだがな」


 −−医者には最も社会常識が欠落している人が多い、と取れる…

 「あー、そういう、そういう意味じゃ全くありません。だからそういった意味で、なんていうの、まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、そら申し訳ありません。それは」


 全国知事会の場面では肉声が報じられなかったが、記者からの質問に対する返答では、誠意がかけらも感じられなかった。医師不足は、国の施策の結果生じたものである。長時間労働に耐えて現場で働いている医師の顔に泥を塗ったという自覚がない。社会的常識が欠けているのは自分自身であることに麻生首相は気づいていない。