通所リハ、リハマネジメント加算の矛盾

 介護報酬改定対応プロジェクトが始動した。当てはめ作業をしてみると、通所リハビリテーションが大幅な赤字になっている。

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 赤字の理由は、短期集中リハビリテーション実施加算及び個別リハビリテーション実施加算算定要件が厳しくなったためだと言う。担当者にさらに詳しく聞いてみると、リハビリテーションマネジメント加算の要件が、月に8回以上リハビリテーションを行っている場合に制限されたことが原因だという。あらためて該当部位を確認してみた。


  資料1−2 平成21年度介護報酬改定の概要 全体版(PDF:654KB)(以下 「概要」)の16ページと、資料1−3 諮問書(平成21年度介護報酬改定について)全体版(PDF:1,339KB)(以下 「諮問書」)の44〜45ページに、リハビリテーションマネジメント加算と短期集中リハビリテーション実施加算及び個別リハビリテーション実施加算算定要件が記載されている。


 まず、「概要」のリハビリテーションマネジメント加算をみると、注として「月に8回以上通所リハビリテーションを行っている場合に算定」と確かに記載されている。一方、「諮問書」にはこの注に相当する文言を認めない。短期集中リハビリテーション実施加算及び個別リハビリテーション実施加算の算定要件には、間違いなく「リハビリテーションマネジメント加算を算定していない場合は、算定しない」となっている。


 「月に8回以上」となると、最低週2回以上、通所リハビリテーションを利用する必要がある。週1回以下利用群はリハビリテーションマネジメント加算を算定できず、結果として個別のリハビリテーションを受けることができなくなる。週2回以上群でも、体調不良で休み月7回以下になった場合には、算定できない。


 なぜ、このような規定になったのか、現時点では不明である。意図的に行ったとしたら悪辣である。多くの利用者に等しくサービスを提供しようとしている事業所は赤字に転落する。


 私は、今回の問題は厚労省担当者の単純ミスとみる。なぜならば、訪問リハビリテーションでは、リハビリテーションマネジメント加算が廃止され、短期集中リハビリテーション加算にまるめられた。老健施設における短期集中リハビリテーション実施加算も同様である。他のリハビリテーション関連報酬との違いが顕著であり、矛盾がある。


 通所リハビリテーションは、維持期リハビリテーションの柱である。今回明らかになった問題点を解消する最も簡単な方法は、短期集中リハビリテーション実施加算及び個別リハビリテーション実施加算の算定要件から、「リハビリテーションマネジメント加算を算定していない場合は、算定しない」という項目を削除することである。できる限り早期に矛盾を解決し、通所リハビリテーション事業所を安心させて欲しいと願う。