連携パス改善に向けた討議のまとめ

 昨日、大腿骨頚部骨折地域連携パスの会議があった。連携パス改善に向けた討議についてまとめた。


【論点と対策】
・ 連携元病院の医師負担が増大している。それでなくても、記載すべき書類が増えている。医療者用連携パスと、転院希望患者連絡票に同じようなことを記載しなくてはならない。簡略化を希望する。IT化すると、同じ情報を繰り返し入力する必要はなくなるという意見がある。しかし、現実的には院内のセキュリティー保護の方針のため、紙ベースでの運用となっているところが多い。また、アクセスポイントが限られているため、入力時に混み合うという現象が生じている。
→ まず、転院希望患者連絡票の簡素化から開始することにした。必要最小限の項目が何かを明らかにするために、各項目それぞれの賛否をとった。班長として意見をまとめ、提案をする。
→ 紙データベースで運用している場合、重複する箇所は記載しない方式を提案する。


・ 受け手側の連携先病院にとっては、情報が足りないと感じることがある。状態が分からないために、電話で問い合わせをしたり、あらためて診療情報提供書や各部門の報告書を求めることがある。二重手間になっていないか疑問である。医療者用連携パスに関しては、各部門ごとの書式にし、その分記載するスペースを拡大したり、字を大きくして見やすくできないか。
→ 直ちに大幅な変更を行うことは困難だろう。今後の検討課題とする。


・ 現在の転院希望患者連絡票では、記載者が分からない。連携室に連絡したら良いのか、病棟に相談した方が良いのかが分からない。
→ 記載者(部門)、記載日などを明記する方向にする。


・ 連携元病院のリハビリテーション室としては、今までと比べ記載すべき情報が減ったために助かっている。
・ 医療者用連携パス(患者状態報告書)の達成度をみると、どこまでリハビリテーションが進んだかがわかる。
→ リハビリテーションの達成度部分は、同じやり方で運用することにする。


 転院希望患者連絡票の簡素化と同様の問題が脳卒中の地域連携パスでも論議されている。連携元病院医師の切実な願いとなっている。*1転院基準を明確化が最優先となる。連携パス適応例と判断された場合には、連絡票の項目は必要最小限の項目だけにできる。大腿骨頚部骨折と脳卒中の骨格部分は共通化することも可能である。両者の連携パスに関わっている立場でもあり、調整に努めてみることにする。