看護必要度、10対1入院基本料病棟にも導入

 引き続き、平成22年度診療報酬改定、資料(総−6)(PDF:646KB)(『骨子における重要課題関連項目(入院)及び「四つの視点」関連項目(入院を中心に)』)より、看護必要度に関わる部分を紹介する。同資料の30ページより。

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急性期の医療機関における入院患者の重症度等の評価について

第1 基本的な考え方
 地域において急性期を担う医療機関において、入院患者の重症度等の状態について評価を行い実情に合わせた適正な配置を行っている病院を評価する。


第2 具体的な内容
 急性期の入院医療を担う一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟)、専門病院入院基本料の10 対1入院基本料について、「一般病棟用の重症度・看護必要度」に係る評価票を用い継続的に測定を行い、その結果に基づき評価を行っている場合の加算を新設する。


 看護協会は、厚労省にかなりのコネがあると思える。あらゆる入院料に、看護必要度を導入しようとしている。看護必要度は看護師配置のツールにすぎない。しかし、診療報酬では看護必要度=患者の重症度という誤った概念が幅をきかせている。

全国保険医団体連合会資料にみる柔道整復師保険請求の異常さ

 あらためて数字を突きつけられると、柔道整復師の不正請求問題を放置しておく訳にはいかないという思いがこみあげる。全国保険医団体連合会http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/annketo/100130jyusei.htmlより。

平成21年11月11日に開催された政府の行政刷新会議による事業仕分け作業において指摘されたように、医療保険から支払われる柔道整復師による療養費は年々増加し、平成19年度には約3,377億円に達しています。これは、診療所入院外医療費でみると、産婦人科の1,932億円、小児科の3,334億円を上回る額です(別紙1 図1)。

厚生労働省の抜き取り調査によれば、柔道整復師の請求の99.6%が捻挫、打撲であり、しかも3部位以上が50.5%を占めていますが、これは余りにも実態と乖離しています。

一般市民を対象としたアンケートで、本来、柔道整復師には保険請求が認めらない、慢性の肩こり、腰痛などで整骨院または接骨院を受診したという回答が45.3%でした(別紙2)。


 ここまで異常なデータが示されているにも関わらず、柔道整復師の不正請求がなぜ放置されているのか、疑問が残る。整骨院に対し、真面目にレセプト審査が行われるだけで、公的医療費はだいぶ節約される。

加えて深刻なのが、整形外科医の93.4%が柔道整復に起因する、あるいは悪化した症例を経験したことが「ある」と回答している点であります。長崎県保険医協会のアンケート調査結果でも、同じ設問に65.5%が「ある」と回答し、骨折の見落とし、整復によると思われる骨挫傷、肩関節脱臼の患者に「五十肩」と診断し、関節可動域訓練を強制し骨髄損傷を来した症例、化膿性脊椎炎が悪化した症例、亀裂骨折を伴っていたが温めた結果、血腫が増大した症例等の具体例が寄せられています。これは国民の健康にかかわる重大な問題であると考えられます。


 柔道整復師の施術レベルに疑問を示すデータである。脊椎転移に伴う腰痛症に対し施術が行われ脊髄損傷を起こした例を私も経験した。外傷患者に対しては、病歴をとり、理学的所見を確認し、必要ならX線写真を撮るという診断過程がとられる。慎重に行っても、骨折の見落としが生じることがある。柔道整復師は、医師に相談することもせず、捻挫や打撲という診断を大量生産する。重篤な外傷を見落とす危険性はきわめて高いと言わざるを得ない。