震災がれき処理で仙台市が県内他市町村分も受け入れ

 仙台市が、宮城県内他市町村分の震災がれき処置の一部を引き受けることを表明した。

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 東日本大震災で発生した宮城県内の災害廃棄物をめぐり、仙台市が他の被災市町のがれきを受け入れる意向を県に伝えたことが27日、分かった。受け入れ量は未定だが、県が被災12市町から処理を委託されている廃棄物の一部を引き受ける。
 仙台市が建設した宮城野区蒲生地区など3カ所の仮設焼却炉で処理する方針。市内廃棄物の処理の進展状況を勘案しながら、今春にも受け入れ量や時期などを固める。
 県が受託した災害廃棄物を、発生地域以外の自治体が受け入れるのは初めて。県環境生活部は「がれきの処理スピードの加速が期待される」と話している。
 仙台市内で発生した災害廃棄物は約135万トン。処理作業は順調に進み、市は昨年12月の市議会定例会で、2013年度末に設定した完了目標の相当程度の前倒しが見込めると説明。13年夏にも他の自治体の廃棄物を受け入れる余力が生じるとの見通しを示していた。
 県内で発生した災害廃棄物は約1570万トン。県は被災12市町から少なくとも1200万トン以上の処理を受託した。2次仮置き場の用地確保や放射性物質の影響により広域処理が難航し、計画の遅れが懸念されている。

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120128t11004.htm


 環境省では、岩手、宮城県分の震災がれきについて広域処理を進めていく方針を表明している。しかし、計画自体は大きく遅れている。被災地住民は、生活の場ががれきで占拠されている現実を目の当たりにしている。生活再建への不安が精神面に悪影響を及ぼすことを危惧する。
 多くの津波被災地域が苦悩している中、仙台市は仮設焼却炉設置を行い、迅速に処理作業を進めている。今回、自らの分だけでなく、県内他市町村分の一部を引き受けることを表明した。この仙台市の対応が、復興に向けた県内自治体の士気を高めることになると予想する。
 東京都をはじめ、少しずつ震災がれき受入れ自治体が増えている。つい最近、岩手県北沿岸部の津波被災地よりがれき処理に関し、秋田県議会での協議が始まった。真剣に議論をしていただいている各自治体関係者、住民に心から感謝を述べたい。
 なお、福島県分の震災がれきに関しては、放射性物質汚染が高いこともあり、県内処理が決まっている。岩手県宮城県と明らかに状況が異なる。東電原発災害がなければ復興が速やかに進んだのに、という思いがしてならない。