遅くとも2028年までに急性期拠点機能を報告する医療機関を決定

 2024年に、新たな地域医療構想等に関する検討会|厚生労働省が行われ、新たな地域医療構想等に関する検討会とりまとめ|厚生労働省が公表された。

 

 とりまとめの中で、病床機能については、これまでの「回復期機能」については、その内容に「高齢者等の急性期患者への医療提供機能」を追加し、「包括期機能」として位置づけられることになった。

 さらに、医療機関機能に着目した報告制度も設ける方針となった。構想区域ごと(高齢者救急・地域急性期機能、在宅医療等連携機能、急性期拠点機能、専門等機能)、広範な観点(医育及び広域診療機能)で確保すべき機能や今後の方向性等を報告することになった。

 なお、回復期リハビリテーション病棟主体の病院は、上記区分では専門等機能を有する医療機関として位置付けられる。また、地域包括医療病棟および地域包括ケア病棟がある病院は、高齢者救急・地域急性期機能を有する医療機関となる。いずれも、通常は在宅医療等連携機能も有している。したがって、回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟をもつ中小病院は、高齢者救急・地域急性期機能、在宅医療等連携機能、専門等機能の3つの機能を有するという扱いになる。

 

 現在、このとりまとめを受け、地域医療構想及び医療計画等に関する検討会|厚生労働省が開かれている。第10回地域医療構想及び医療計画等に関する検討会:資料|厚生労働省資料1 新たな地域医療構想策定ガイドラインについて(地域での協議、構想区域に関する協議、医療機関機能に関する協議、地域医療構想調整会議のあり方、精神医療に関する地域医療構想の今後の検討体制(報告))[PDF形式:3.8MB]別ウィンドウで開くでは、医療機関機能、特に急性期拠点機能に関する具体的スケジュールに関し次のような提案がされている。

 

 

 重要な点をまとめると、次のとおりとなる。

  • 2026年以降協議を開始し、急性期拠点機能を有する医療機関の決定を遅くとも2028年までに行い、連携・再編・集約化の取組の一定の完結は2035年を目処に進める。
  • 急性期拠点病院の数については、20-30万人に1医療機関を目安とするが、手術件数等や他区域からの流入が多い場合に2つとすることや、人口が30万人超であっても流出が多く、症例数が少ない場合に1医療機関を目安として取り組む。

 例えば、医療圏人口が150万人の大都市圏であっても、急性期拠点機能を有する医療機関は5ヶ所が基準となる。実質的には患者の流入を考慮し、7〜8ヶ所に集約されることになるだろう。そして、地域医療構想においては、救急車受け入れ件数や全身麻酔件数などのデータをもとに絞り込みが行われるため、実績豊富な医療機関だけが指定を受けることになると推測する。

 

 今回の診療報酬改定において、医療・看護必要度の基準が変更された。 中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 議事次第|厚生労働省総-1個別改定項目について[PDF形式:4.8MB]の121〜128ページに、重症度、医療・看護必要度の見直し、という改定項目の説明がある。基準の詳細はこれから明らかになるが、地域医療構想、医療計画の見直しのテンポを考えると、急性期拠点機能を有する医療機関を絞り込む意図があると考えた方が良い。

 いわゆる二次医療機関のかなりの部分は、今後、地域医療構想からも診療報酬の面からも高齢者救急・地域急性期機能にシフトしていかざるを得ないように誘導されていく。これらの医療機関において、病院方針決定の検討に残された時間はさほど多くはない。