回復期リハビリテーション病棟収益最大化の条件

 2026年度診療報酬改定の概要が明らかになった。中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 議事次第|厚生労働省総-1個別改定項目について[PDF形式:4.8MB]別ウィンドウで開くをもとに、今後の方向性について検討する。

 

 まず、回復期リハビリテーション病棟収益最大化の条件を検討する。

 

 総-1個別改定項目について[PDF形式:4.8MB]別ウィンドウで開くの177〜186ページに、回復期リハビリテーション病棟入院料等の評価体系及び要件の見直し、に関する記載がある。回復期リハビリテーション料1における診療報酬及び施設基準の変更点は以下のようになる。

 

[診療報酬]

(2026年2月15日追記)

  • 物価対応料 19点(新設)

 以上、増点分を単純にまとめると216点となる。50床あたりで換算すると年間3,942万円の増収となる。

 

[施設基準]

  • 新規入院患者重症患者割合 35%以上(← 40%以上)
  • 重症患者回復要件 (削除)
  • 実績指数 42以上(← 40以上)
  • 回復期リハビリテーション強化体制加算の要件
    • 回復期リハビリテーション病棟入院料1の施設基準を満たしていること
    • 実績指数 48以上
    • 退院前訪問指導について、十分な実績を有していること
    • 排尿自立支援加算に関する届出を行なっている医療機関であること
  • 重症患者要件
  • 土曜日、休日要件

 

 実績指数の算出方法の変更及び除外対象患者の見直し等については、総-1個別改定項目について[PDF形式:4.8MB]別ウィンドウで開くの489〜495ページに次のように記載されている。

 

[実績指数の算出方法の変更]

  • リハビリテーション実績指数の算出方法について、FIM運動項目のうち「歩行・車椅子」及び「トイレ動作」の得点について、入棟中又は入室中に5点以下から6点以上に上がった場合、分子のFIM運動項目利得に1点を加えることとする。

[除外対象患者の見直し]

  • リハビリテーション実績指数の算出から除外できる要件のうち、「年齢が 80 歳以上のもの」を削除する。
  • リハビリテーション実績指数の算出から除外できる要件のうち、「FIM運動項目の得点が 20 点以下のもの」について、疾患別リハビリテーションの実施単位数が1日平均6単位を超えるものは対象から除く。
  • リハビリテーション実績指数の算出から除外できる要件のうち、「FIM認知項目の得点が 24 点以下のもの」を「FIM認知項目の得点が14 点以下のもの」に見直す。
  • リハビリテーション実績指数の算出から除外できる患者要件の変更に伴い、リハビリテーション実績指数の算出から除外できる割合について、100 分の 30 を超えない範囲から 100 分の 20 を超えない範囲に見直す。

 ⇨ 上記変更の結果、除外患者できる患者は次のようになる。なお、6ヶ月間の退棟患者中脳血管疾患等による高次脳機能障害患者が4割以上の医療機関では、当該月に入棟した高次脳機能障害患者を全て除外できる規定は残っている。

  • FIM運動項目の得点が 20 点以下のもの
    • 入院中に、1日あたり平均実施単位が6単位を超えたため除外できる患者でなくなった場合には、一覧性のある台帳に、その経緯が分かるように記載する。
  • FIM運動項目の得点が 76 点以上のもの
  • FIM認知項目の得点が 14 点以下のもの
  • 基本診療料の施設基準等別表第九に掲げる「急性心筋梗塞狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態」に該当するもの

 

 質の高いリハビリテーションの推進、早期からのリハビリテーション介入の推進については、総-1個別改定項目について[PDF形式:4.8MB]別ウィンドウで開くの550〜564ページに記載がある。特に重要なものは次の2点である。

  • 疾患別リハビリテーション料に係る算定単位数の上限が緩和される対象患者のうち、「入院中の患者であって、その入院する病棟において早期歩行、ADLの自立等を目的」とする疾患別リハビリテーション料から、運動器リハビリテーション料(I)を削除する。

  • 各疾患別リハビリテーションについて、離床を伴わずに行う場合の区分を新設し、100分の90に相当する点数を算定する。この場合、1日2単位までとする。

 

 上記内容をふまえ、回復期リハビリテーション病棟収益最大化の条件をまとめる。

  • 回復期リハビリテーション入院料1を算定できるように施設基準を満たす。
  • 回復期リハビリテーション強化体制加算を算定するできるように施設基準を満たす。
  • 重症患者要件を考慮し、高次脳機能障害、脊髄損傷のある脳血管疾患等患者の受入れを進める。
  • 移乗自立、歩行自立が見込めそうな患者の受入れを進める。
  • リハビリテーション単位数が6単位に制限される運動器リハビリテーション料対象患者よりは、他の疾患別リハビリテーション料患者、特に脳血管疾患等リハビリテーション料患者を多く受け入れる。
  • 重症患者要件から外れるFIM合計得点20点以下(18〜20点)の患者は、認知項目14点以下という要件で実績指数対象から除外することは可能だが、離床を伴う訓練ができないことが多いことをふまえ、積極的な対象としない。
  • FIM運動項目得点20点以下(13〜20点)の患者に関しては、原則実績指数の除外対象とはできないことをふまえ、離床訓練を積極的に行い1日6単位を超える訓練が可能な者を中心に受け入れる。

 

 上記対応をした場合、介助での経口摂取が最大の目標となる超重症患者は、おそらく回復期リハビリテーション病棟の対象から外さざるをえない。また、地域包括ケア病棟は疾患別リハビリテーション料が包括であり、十分な対応は不可能である。受け皿がなく、行き場がない超重症患者が急性期病院に滞留してしまうようになるのではないかと危惧する。