平成30年度診療報酬改定答申が、2018年2月7日に出された。
上記資料のなかで、医科にとって重要なものは、個別改定項目が記載されている総-1(PDF:1,778KB)、新たな入院料の評価体系についての図が示されている総-1参考1(PDF:555KB)、そして、変更された部分のみだが新たな診療報酬点数表が記載されている別紙1-1(医科診療報酬点数表)(PDF:2,686KB)である。
このなかで、総-1参考1(PDF:555KB)の図を主に用い、回復期リハビリテーション病棟入院料に関する改定についてまとめてみる。
現在、3段階に分けられていた回復期リハビリテーション病棟入院料は、実績指数をもとにそれぞれ2つに分けられ、計6段階となる。一方、充実加算は廃止される。
改定前の回復期リハビリテーション病棟入院料1においては、以下の項目を満たさないといけず、定期的なモニタリングが必要となっている。
# 入院時評価
- 日常生活機能評価に基づく重症患者割合: 10点以上が3割以上
- 一般病棟用の重症度、看護・医療必要度A項目: 0.5割以上
# リハビリテーション提供体制
# 退院時評価
- 重症患者回復病棟加算要件: 3割以上が4点以上改善
- 在宅復帰率: 7割以上
- 実績指数: 27以上(27未満だと1日6単位を超えるリハビリテーションは入院料に包括)
今回の診療報酬改定では、上記のうち、一般病棟用の重症度、看護・医療必要度A項目と充実加算に関する規定が削除された。また、在宅復帰率も現在の入院料1に相当する新入院料1、2では7割で据え置きになり、入院料2に相当する新入院料3、4では6割から7割に引き上げられている。
一方、実績指数は、新回復期リハビリテーション病棟入院料1において、27から37に大きく引き上げられた。同入院料3、5においても27から30となった。
在宅復帰率の要件も変更され、上図に示すとおり、分母から一般病棟への転棟・転院が全て除外されることになった。結果として、在宅復帰率は上げやすくなった。特に一般病棟を持つ医療機関にとってはメリットが多い。
以上をまとめると、次のようになる。
- 回復期リハビリテーション病棟入院料1の後継である新入院料1、2に関しては、実績指数以外、大きな変更はない。実績指数37をクリアできるかどうかが問題となる。在宅復帰率はむしろ緩和されている。
- 新入院料3、4に関しては、在宅復帰率の7割への引き上げをクリアできるかどうかがまず課題となる。一方、重症患者割合、重症患者回復病棟加算要件をクリアできれば、新入院料2以上への転換も見据えることができる。
- 新入院料5、6に関しても、実績指数による評価が加わった。
次のエントリーにおいて、中医協が行った診療報酬改定の結果検証に係る特別調査をもとに、実績指数管理についてさらに深めることにする。